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防風林「あらためて知るご飯のおいしさ【2023年8月4週号】」

 ▼内釜のコーティングがかなり剥がれてきたので、新しい炊飯器を購入した。家電量販店では1万円前後から10万円を超える高級品まで多くの商品が並び、炊き方や内釜の特徴が宣伝される。見た目では違いが分からず、店員に説明を乞い、迷った挙げ句、機能も財布の負担もまずまずの炊飯器を選んだ。
 ▼ご飯を炊くと古い炊飯器に比べ明らかにつぶだちがよく、おいしく感じた。家族も同意見で、メーカーの違いよりも炊飯器を長く使ううちに炊飯技術が相当進歩したのではないかと推測している。毎日食べるご飯のおいしさを追求する人なら、10万円を超える炊飯器も安い買い物と思うのかも。年間10万トンずつ主食用米の需要が減少しているとはいえ、一定のご飯好きはいるのだ。
 ▼農研機構と伊藤忠食糧は、「ふっくら」「もちもち」などご飯のおいしさを表す約100の言葉をリスト化したと発表した。今後、言葉の定義や例示を明確にして内容を充実させ、来年度の完成を予定する。米飯の品質を詳細に評価する際や品種・炊飯方法などおいしさの違いを具体的に伝える際の辞書的な活用を想定するそうだ。
 ▼米飯のおいしさは、訓練をした評価者が食べて判定する官能評価が基本だ。ただ、昨今は米の品種や米飯の種類が増えて評価の要求も多様化し、従来の言葉や方法では評価しきれないとの指摘もあるという。明確な評価で関心を喚起し、炊いたご飯のおいしさを知れば、もっと食べたくなると思うのだが。