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ポット成苗を疎植 病害虫対策に奏功【9月4週号 徳島県】

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 【徳島支局】阿波市市場町の西田賢二さん(44)は、約100筆の圃場で水稲8ヘクタール、麦30アールを作付ける。栽培品種は「コシヒカリ」「ヒノヒカリ」「にこまる」のほか、古代米や酒造好適米、小麦、ライ麦など多岐にわたる。日本酒愛好家の会に所属する西田さんは、自分が栽培した米で日本酒を造ることが夢だった。収穫した酒米は、蔵元で醸され「お殿田(おでんでん)」という銘酒に生まれ変わる。酒米の品種は「五百万石」や「山田錦」など毎年変えて、味わいの違いを楽しめるのが特徴だ。酒米栽培では化学合成農薬や除草剤を一切使わず、化学肥料も可能な限り使わない。農薬を使わず栽培する際に悩まされる病害虫対策は「みのるポット成苗移植システム(みのる式)」を導入した。みのる式は、丈15センチまで育てた根鉢付きの成苗を疎植する。病害虫に強く、倒伏軽減の効果もあるという。さらに、田植え時に米ぬかをまき、土壌の表面を酸欠状態にすることで、雑草の出芽を抑制している。「栽培には手間暇かかるが、価値を感じて購入してくれる人が多い。来年は水稲の栽培面積を10ヘクタール以上、酒米も増やしていきたい」と意気込む。

〈写真:米笑(こめしょう)という屋号で営農に取り組む西田さん。「おいしいお米を食べて、笑顔で健康に過ごしてほしい」という思いが込められている〉