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高温耐性、高品質を維持 新潟大学開発「新大コシヒカリ」【10月4週号 新潟県】

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 【新潟支局】今夏の記録的な猛暑による農業被害を受けた新潟県で、水稲新品種「新大コシヒカリ」が注目されている。高温環境下でも高い品質を維持できる「コシヒカリ」を目指し、新潟大学(新潟市西区)が20年間、研究を進めてきた。新大コシヒカリは、コシヒカリと同等のおいしさを維持し、登熟期に高温・高CO2(二酸化炭素)の環境にさらされても、玄米品質の低下が軽減されることが最大の魅力だ。「コシヒカリ新潟大学NU1号」として開発を進め、このほど一般公募で商標登録の名称を新大コシヒカリに決定した。10月7日に新潟市中央区の百貨店で販売を開始し、2023年産の新米が首都圏で順次販売される。同日には試食コーナーが設けられ、炊きたての米を味わう客などで会場はにぎわいを見せていた。開発者の同大学農学部・三ツ井敏明教授は「今年は猛暑になったが、粒感や香りに従来のコシヒカリのおいしさを感じられる仕上がり」と笑顔で話す。同大学研究企画推進部社会連携課・松岡琢磨課長は「今年は新潟県内各地で実証試験を行っている。猛暑の影響をどれだけ抑えることができたのか、良い分析結果が出るのを期待している」と話す。

〈写真:法被を着て新大コシヒカリをアピールする三ツ井教授〉