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防風林「家畜の重要伝染病の侵入に備えよう【2023年10月2週号】」

 ▼環境省は4日、北海道で野生のカラスの死骸からA型鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が確認されたと発表した。高病原性鳥インフルエンザと確定すれば、本年秋以降のシーズンで初確認となる。農林水産省は同日付で通知を発出。農場の飼養衛生管理徹底と観察の励行による早期発見・早期通報、発生に備えた防疫措置の事前準備などを求めている。
 ▼昨年は過去最も早い10月28日に国内農場で高病原性鳥インフルエンザ1例目が確認され、今年5月末までに26道県で84事例、約1771万羽が殺処分対象になる過去最大の発生となった。鶏卵の生産・供給にも影響が及び価格が高騰する騒ぎもあった。
 ▼高病原性鳥インフルエンザだけではない。豚や牛の重要な伝染性疾病であるアフリカ豚熱や口蹄疫が隣国の韓国や中国で発生。侵入が警戒されている。
 ▼増えているインバウンド(訪日外国人客)の靴や携行品にウイルスが付着し、持ち込まれる可能性もゼロではない。人の動線の乱れや小動物の侵入路ができていないかなど、いま一度農場の飼養衛生管理の点検を。