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中古ダンプカーを改造 もみ殻トレーラーで時短、軽労化【11月4週号 福島県】

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 【福島支局】須賀川市で飼料用米17ヘクタールを栽培する横川良雄さん(67)は、中古の2トンダンプカーを「もみ殻トレーラー」に改造した。もみ殻を圃場へ散布する際に使い、運搬作業の時間短縮や労力軽減に取り組む。全面積で多収性の飼料用米品種を栽培する横川さんは、収量を求め、稲の倒伏を何とかしたいと、稈を丈夫にする方法を模索。もみ殻に含まれるケイ酸が良いと知り、5年ほど前から圃場にまいている。トレーラーは、市販の農機だと積載量が少なく、運搬回数が多くなるため、中古のダンプカーを購入。ダンプカーは圃場条件によっては走行できないため、トラクターでけん引できるように改造した。キャビンとエンジンを外し、シャーシとダンプは再利用。シャーシには、けん引ヒッチを取り付け、荷台は5立方メートル積載できるように、荷台を囲むあおりをかさ上げし、油圧関係を加工した。トラクターは、ぬかるみ対策としてダブルタイヤに変え、外部油圧の取り出し(ダンプ用油圧シリンダー昇降用)と電装関係の配線を施した。油圧ホースは地面に触れないよう、けん引ヒッチに支柱を溶接してつるす。もみ殻の散布時は荷台を上げ、後部のあおりが5センチ程度開くようチェーンで調整。10アール当たり1.5台分を目安に、刈り取り後の株が見える程度に散布する。横川さんは「以前に比べ稲が倒伏しなくなった。続けたい」と効果を実感。横川さんと圃場が近い水稲農家の池田多可志さんは「この量を1回で運び、散布が早く、圃場からすぐいなくなる。時間と燃料費の節減になる」と驚く。

〈写真:「もっと改良を重ねたい」と横川さん〉