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防風林「未来へつなぐ宝を掘り起こす【2023年11月4週号】」

 ▼「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」の選定結果が10日、公表された。今回が第10回で全国から29地区が選ばれ、累計の選定数は315となった。また、過去の優良事例から、選定後に著しい発展性が見られ全国の模範になると評価された「仙北市農山村体験推進協議会」(秋田県)を特別賞に決定した。
 ▼同協議会は第3回で選定された。農山村宿泊体験受け入れ団体と体験指導団体、サポート団体の活動を一本化し、農家民宿のレベルアップやフェイスブックなど交流サイト(SNS)を活用した積極的な情報発信を展開。教育旅行者数や外国人の農家民泊数を伸ばした成果などが評価された。
 ▼選定後はワンストップサービス体制を構築し、協議会を法人化。コロナ禍でも独自に感染症ガイドラインを定めて受け入れを継続した。キャッシュレス決済の導入やリクエスト型の予約手配への対応、ネーティブスピーカーの配置など受け入れの内容を充実させており、ホームページも日本語と英語に対応し閲覧者数が大幅に増えている。
 ▼この選定は、農林水産省と内閣官房が連携し、農山漁村の地域資源を活用し、地域の活性化や所得向上につながる事例を選び全国に発信して横展開を促すねらいがある。ただ、特にこの数年は内外の情勢が大きく変化した。選定地域がどのように困難に対応したのかは多くの人の関心事項だろう。地域の宝を掘り起こし、次世代につなぐために、そうした情報の共有化も大切だ。