▼ネット通販などに押され、書店数の減少が続いている。日本出版インフラセンターのまとめでは2022年度の総店舗数は1万1495店。03年度は2万880店あり、20年間でほぼ半減した。出版文化産業振興財団によると、22年9月時点で全国の約26.2%が1軒も書店がない無書店市町村という。
▼都市部でも書店は減り続けている。事務所の徒歩圏内に数店あった書店は1店になり、そこも閉店すると張り紙が出された。企業なども多い場所柄で、日中の人口は多いはずだが、書店に出向く人が少ないのだろう。
▼こどもの頃、自転車で10分ほどの住宅団地内に書店があり、小銭を持って週刊まんが誌などを買いに通った。中学、高校と成長するに連れ、雑誌や小説などにも手を広げた。ネットのない時代で、書店は多様な情報が得られる貴重な場所だった。
▼地方で書店を見つけると立ち寄ることが多い。出身作家や地域の歴史・文化をテーマにした地元出版社の書籍が並ぶコーナーが設けられ、勉強になる。ネットでは味わえない出合いのワクワク感が楽しいのだ。