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防風林「女性や若者の背中を押して町村議会を動かそう【2024年4月3週号】」

 ▼議員のなり手不足が進み、昨年5月以降の4年間で全国の3分の1を超える316町村の町村議会議員選挙が無投票になる可能性があるという。全国町村議会議長会の有識者検討会がまとめた報告書では、昨年4月までの4年間に254町村の選挙が無投票で行われ、「定数+1」の選挙を含めると約6割の553町村に及んだとした。
 ▼要因には、議会の役割や議員のやりがいが住民に浸透しておらず、高齢男性ばかりとのイメージや低報酬、女性や若者が立候補しにくい保守的な風土などが挙がる。住民の距離が近い小規模町村では、家族や親族が反対し、立候補を断念する例もあるとした。
 ▼小学生の頃、立候補した知人を父親が応援し、自宅の一室が事務所代わりに使われた。多くの人が出入りし、当時はお酒も付きもので、騒がしかった記憶しかない。
 ▼なり手不足を放置すれば、議会の存在意義が揺らぎ、政策立案、行政監視の機能低下や地方自治の弱体化を招く。高齢・過疎化や産業振興、生活環境整備など課題は多い。女性や若者の背中を押す仕組み整備を急ぐ必要がある。