【三重支局】松葉弘樹さん(58)は、いなべ市北勢町で米作りをしながら、団子店「弘福舎(こうふくや)」を営む。元JA職員で42歳の時に水稲農家へ転身し、作付面積を約3ヘクタールから約10ヘクタールに拡大。現在、主食用米約18ヘクタールと飼料用米約2ヘクタールを栽培しながら、NOSAI部長も務めている。
山間部のため、獣害が深刻で、より被害の大きい麦・大豆に転作せず、米作りに専念。その一方で、加工品として餅やかき餅を製造し、農閑期にはキッチンカーによる団子販売を始めた。昨年11月、長年の夢だった実店舗を開店。現在は金・土・日・祝日に営業し、春休みや夏休みなどの長期休暇は店を毎日開く。キッチンカーも引き続き活用し、地元のイベントにも出店する。
団子の原料は自家栽培の米だ。品種は冷めても軟らかい食感が続く「ミルキークイーン」。米粉100%の生地を松葉さん自らが手作りする。団子は注文を受けてから焼き始め、まず白焼きし、しょうゆを付けて2度焼き。その後、しょうゆ、甘辛タレ、きなこの3種類で味付けする。焼き始めると店内には香ばしいしょうゆの香りが広がる。
〈写真:店の看板の前で笑顔の松葉さん〉