【埼玉支局】深谷市の鹿沼光誠(かぬまこうせい)さん(33)は両親と共に、ハウス15アールでキュウリ、露地1.5ヘクタールでブロッコリーを栽培する。2024年11月に就農した。「今作は猛暑の影響でブロッコリーの収穫開始時期が早まり、計画通りに出荷できませんでした。想定外の事態に遭遇しても柔軟に対応できるよう成長していきたい」と話す。
収穫物はJAふかやに全量出荷。出荷規格に則すことを最重視し、高品質な作物を安定供給できるよう努める。
25年作のキュウリ栽培に向け、ハウスに自作の環境監視システムを設置した。温湿度や日射量、土壌水分量など8種類ほどのデータを計測し、外部記憶装置に蓄積する。各データはパソコンやハウス内のモニターから確認できる。農研機構が開発し、ホームページ(HP)上で公開している『安価かつ簡便にハウスの遠隔監視に使えるIoT機器「通い農業支援システム」 製作マニュアル』をはじめ、ウェブ上で無料公開されている複数の技術手引書を参考に製作した。計器や通信機器を個別に購入し、鹿沼さん自身で組み立てやプログラミングを行った。
2月下旬のキュウリ定植から、本格的に運用を開始。想定通りに稼働しており、順調なスタートを切った。巡回作業の省力化に役立てるほか、両親との農業経験差を埋めるためのツールとして活用していく。
〈写真:ブロッコリーの出荷作業をする鹿沼さん。経営継承を目指す〉