▼気温が上がり、湿度も高くなる季節が到来。気圧の変化や寒暖差なども加わって、心身に不調を来す人も。いわゆる"梅雨だる"の対策には、規則正しい生活を基本に食事や服装の工夫による適切な体温調節が有効だそうだ。
▼一方、高温多湿になると元気になる生き物も少なくない。その一つが虫。特にダニやコバエなどには快適な環境となる。農作物に被害をもたらす害虫にも一層、厳重な警戒が必要だ。
▼この時期、その姿を多く見せてほしいと願う虫もいる。二十数年前、取材先でホタルが田んぼのまわりを舞う姿を初めて見た時の感動は今も鮮明に覚えている。「ぜひ見ていって」との厚意に甘え、談笑しながら日没を待った農家とのひとときも、忘れることはない。
▼きょう、6月4日は「虫の日」。漫画家の故・手塚治虫さんら虫愛好家が設立した「日本昆虫クラブ」が虫の住める街づくりを掲げ、制定した記念日だ。国連などは温暖化など環境の変化が虫たちにも深刻な打撃を与えていると警告している。正直、苦手な虫は多い。ただ、豊かな生態系を支えている小さな命から生物多様性保全の大切さを改めて考えてみる。