農林水産省は10日、新たに政府備蓄米20万トンを随意契約で放出すると発表した。対象は2021年産と20年産を各10万トン。購入を希望する大手・中小の小売店や米穀店に売り渡す。同省は新たな販売分の店頭価格は5キロ1700~1800円(税抜き)程度と想定。政府は米価引き下げを目標に掲げ、対策を強化する。ただ、全量が販売されれば、一般競争入札分を含め備蓄米の販売量は合計81万トンに積み上がり、供給過剰への懸念から25年産米の生産に影響を与える可能性もある。追加放出で残りは10万トン程度と見込まれる政府備蓄米の確保も課題となる。
(2面・総合)