▼デジタルタトゥーとは、一般にオンライン上に公開・拡散された発言や画像、動画などが将来にわたって残ってしまうこと。誰でも自由に発信できる交流サイト(SNS)時代の宿命だが、ネット上に残る情報が人間関係や仕事などに悪影響を及ぼす例があり、公開・拡散前に情報を精査し、安易な発信は控えるなどの対応が重要となっている。
▼現代のSNS台頭は、政治の世界にも大きな影響を与えている。今回の参院選もSNS戦略の成否が結果を左右したとの指摘もある。とはいえ"発信した者勝ち"では信頼は揺らぐばかり。当選議員は一票の重みの自覚は当然として、自らの発言・主張が残り続けることを認識し、その重責を果たしてほしい。
▼SNS上では真偽不明の情報も飛び交っており、今後は事実に基づく正確な情報提供のあり方も重要課題となる。そんな中、参院選後の7月23日、一部新聞社が「首相退陣へ」と報じ、その日のうちに首相自ら否定する事態となった。新聞やテレビなどオールドメディアも発信した報道を消すことはできない。自戒の念も込め、信頼に資する情報発信を徹底していく。