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防風林「悪党への対策強化を【2025年9月2週号】」

 ▼能登半島地震の被災地にも"火事場泥棒"は現れていた。奈良女子大学の岡本英生教授らの研究チームはこのほど、能登北部地域での空き巣や店舗荒らしなど「侵入盗」の発生状況を統計学的な手法を用いて分析した結果、震災直後にその件数が有意に増加したことが確認されたと発表した。
 ▼多くの人が傷つき、避難を余儀なくされる状況下での卑劣な犯行。さらに昨年9月に被災地を襲った記録的な豪雨後にも、統計的な予測を上回る侵入盗が発生したというのだから、憤りは一層増幅する。
 ▼東日本大震災の被災地などでも発災後の混乱に乗じた犯罪が相次いだとされる。世界有数の地震大国であり、豪雨災害も頻発する中、もしもの時に安心して避難できる環境整備は重要だ。個人や地域での安全対策とともに、最新技術を活用した見回りの徹底などを含め、政府は被災地での防犯対策を強化してほしい。
 ▼収穫の秋を迎え、生産者の努力の成果を盗もうとたくらむ悪党にも注意が必要だ。特に最近は農家の倉庫などから米が盗まれる事件も散見されている。新米価格は前年産を上回ってスタートした。十分に警戒を。