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防風林「AI普及で問われる使う側の対応力【2025年9月4週号】」

 ▼中学校や高校などで"AI(人工知能)採点"の導入が進んでいるそうだ。答案用紙を画像にしてシステムに取り込むとAIが自動で採点する仕組み。教員の労務軽減や採点の正確性・公平性向上などが利点で、当日のうちに結果をメールなどで通知でき、生徒の早期弱点克服にもつながるという。
 ▼さらに各生徒の成績に応じた追加課題などをAIが選定・作成する学校も。現在の利用は選択問題が中心だが、いずれ難解な論述問題などにも順応するようになるとされる。AIから知識を得るだけでなく、採点・評価される時代の到来が迫る。
 ▼東欧・アルバニアでは、汚職対策として公共入札の監督閣僚にAIが生成した架空の人物「ディエラ」を起用するという。一方、米国では、子どもがAIと会話形式でやりとりした後に自殺。両親はAIに誘導されたと訴え、安全性が大きな問題となっている。
 ▼日本政府は人工知能戦略本部を立ち上げ、「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」の実現へ年内に基本計画を策定するとした。道具の進歩が目まぐるしい中、使う側の対応力が問われている。