▼2025年10月は日本史に深く刻まれる月となった。第104代首相に自民党の高市早苗総裁が選出された。女性の首相就任は憲政史上初。さらに公明党は26年間続けてきた自民党との連立を解消、自民党と日本維新の会による新たな連立政権が誕生した。
▼新首相は内閣の基本方針で「日本の未来を切り開く責任を果たす」とし、総力を挙げて推し進める政策の中に「食料安全保障」と「地場産業の強化」を盛り込んだ。これらの実現は、日本人の主食であり、耕地面積の過半を占める水田で作られている米の持続的な生産の確保が肝となる。
▼ただ、衆参両院とも少数与党の状況は変わらない。「困難な船出」となる新内閣は国民に寄り添った丁寧な説明・議論を尽くし、この国の舵(かじ)取りをしてもらいたい。与野党は世界で広がる分断の波に流されることなく、熟議を通じて山積する課題の解決策を見いだしてほしい。
▼「早苗」とは苗代から本田に移し植えるころの稲の苗の意味。まずは来春も再来春も、米農家が希望を胸に田植えに汗を流せる環境づくりへ〝決断と前進の内閣〟の実行力に期待したい。










