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防風林「ツーリストシップで旅行者も受け入れ先も幸せに【2025年11月1週号】」

 ▼円安などを追い風に訪日客数の年間4千万人超えが見えてきた。1~9月の推計は前年同期比17.7%増の3165万人と、最速で3000万人を突破。一部観光地などは"多国籍化"が日常になっている。
 ▼経済効果は大きく、9月までの宿泊や買い物などの消費額は約6兆9000億円に上る。地域の雇用創出や税収増などに加え、米を含む日本産農畜産物の需要拡大にも寄与。一方で、治安の悪化などを含めオーバーツーリズム(観光公害)も顕在化している。
 ▼2030年に訪日客6000万人を掲げる政府は、観光公害対策と併せて地方への誘客を進める方針。高市早苗首相は所信表明で訪日観光の重要性を強調するとともに、一部の外国人による違法・ルール逸脱行為には毅然と対応するとした。
 ▼近年は"ツーリストシップ"という考え方が注目を集めているそうだ。スポーツマンシップの旅行者版で、旅先に配慮し貢献しながら交流を楽しむ姿勢・行動を指す。人々をその地に引きつける魅力は、そこで暮らす人たちが守っている。秋の行楽シーズンも終盤を迎えた。国内外を問わず、旅行者も受け入れ地域も、共に幸せになる異文化交流を広げたい。