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防風林「ミカンを食べて家族も産地も元気に【2025年12月1週号】」

 ▼この秋、色づき始めるのを楽しみに待っていたミカンの木がなくなった。通勤途中に出迎えてくれる黄色い果実は、個人的な冬の風物詩の一つだったが、古家解体とともに庭に植えられていたその1本も伐採された。
 ▼温州ミカンは日本を代表する果物の一つで、基幹作物として中山間地域などを支えている。一方、農地集積は困難で労働生産性も低いなど課題を抱え、高齢化により離農が拡大。2024年産の生産面積は3万6千ヘクタールと1990年産比で半減し、生産量は56万トンと約3分の1に。近年は夏場の異常高温など気候変動も暗い影を落とす。
 ▼ことわざ「蜜柑(みかん)が黄色くなると医者が青くなる」は「ミカンが黄色く熟すころは気候が良いので病人が少なくなり、医者が青くなる」が本来の意。ただ〝二季〟が指摘される昨今。今年はすでにインフルエンザが流行中だ。
 ▼ミカンはビタミンCなどが豊富で風邪予防や症状緩和に役立つとされる。わが家の年末年始は、令和に入っても「こたつにミカン」が風物詩。こちらは次世代に残せるよう、今日から食べて家族も産地も元気にしよう。