▼小中学校で習う常用漢字は2136字。多いか少ないかは別にして、それぞれに意味があり、その字を見て思い描く印象も人それぞれに異なる。
▼例えば、象形文字から生まれた「農」。田畑を耕す、農業、畑仕事、農民などに加え「つとめる、尽力する」との意味を持つとする辞典もある。人々が生きていくための土台を感じる。
▼「食」は食べる、食べ物、食事、扶持(ふち)のほか、日食・月食など「欠ける」との意味がある。食べ物を器に盛り、蓋(ふた)をしたさまを表す象形文字が起源だが、「人」と「良」の組み合わせを見ると、家族や友人、知人との楽しいひとときにしたくなるし、大切な人に良いものを振る舞いたくもなる。
▼昨夏からの国民の関心事「米」は稲の実のほか、アメリカの意(略称)。トランプ政権の再登場で、食べられない米の動向は世界中の注目の的に。
▼さて、30周年を迎える「今年の漢字」が今月12日に京都市・清水寺で発表される。物価や株価、憲政史上初の女性首相の名から「高」を予想する声も。蛇の象徴である再生・変革の巳年もいよいよ暮れていく。










