▼新年のニュースは国際情勢や経済などの行方を占う話題であふれる。一方で、生産現場では今年も朝日を拝み、天候に向き合い、土壌の状態を確かめ、農産物の状況に気を配る。作柄を占うのではなく、豊作を信じて積み重ねる農の営みが、豊かな日本の食を支え、暮らしを守り、地域を次世代につなぐ。
▼農家の高齢化や担い手不足の進展をはじめ、生産資材価格の高騰・高止まりに気候変動による自然災害の頻発化・激甚化など、農業・農村に関する見立ては厳しいものばかり。とはいえ、農作物は待ってはくれない。たとえ、市場価格が見通せず、政策が変わったとしても、土を耕し、種をまく。病害虫や野生鳥獣に対処し、自然災害への備えに努める。農家一人一人が日々足を運び、決して移動することのない田畑を守っている。
▼ただ、消費者はそれを当たり前と捉えてはいないか。スーパーに農畜産物が整然と並ぶのは偶然の産物ではない。その向こうには数えきれない作業や判断があり、代々受け継いできた農地を守り、不作に負けず生産し続けてきた努力がある。そして今、その土台は大きく揺らぎ、危機にあることに思いを寄せているか。
▼農業・農村の危機は日本の危機だ。不確実性が高まる時代だからこそ、農家が消費者の食を支え、適切な選択を通じて消費者が農家の持続的な生産を支える運動を広げたい。批判や分断、対立の先にある不安ではなく、感謝と協力のもと、農家と消費者とがつながることで安心を見いだす年にしていこう。










