ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

防風林「油田がなくとも水田がある。瑞穂の国をつないでいかねば。【2026年5月3週号】」

 ▼水と油は、分子の性質が根本的に異なることから混ざり合うことはない。そのため、人間関係や物事の相性が悪い時などに比喩的に用いられる。ちなみに海外でも同意で使われるが、英語は「oil and water」で油が先。
 ▼とはいえ、両者とも生活に不可欠な資源。特に石油はエネルギー源や製品原料など多分野で重要な役割を果たしている。現下の中東情勢の悪化がその価値を改めて認識させる。
 ▼一方、世界最大の産油地・中東で近年、石油より重要度が高まっているとされるのが水だ。慢性的な不足で飲料水を海水の淡水化に頼る国は多く、大干ばつが続くイランは"水危機"にも直面。さらに温暖化に伴う気候変動が水の確保を一層困難にするとの指摘が出ている。
 ▼日本の地質は油田ができにくく、石油は海外に依存せざるを得ない。ただ、豊富な水資源を生かして先人たちが築いてきた水田があり、水源かん養など多面的機能が国民の生活を支えている。何より供給不安の時代に国産米の在庫が十分にあり、田んぼに稲が植えられている安心感は比類ない。そして瑞穂の国を次代につないでいかねば、と思う。