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防風林「国産の米と海苔でつくるおにぎりの価値【2026年7月1週号】」

 ▼おにぎりの代表的なお供の一つ"海苔"〈のり〉。手にご飯がくっつきにくく、かぶりついた時に広がる磯の香りは米のうまさをより引き立てる。ただ、国産1枚の価格がおにぎりに使う米よりも高くなる時代がくるかもしれない。
 ▼総務省の統計によると焼き(干し)海苔の平均価格は数年前の2倍前後に高騰。すでにコンビニなどでは海苔を別包装にした商品の減少・値上げが相次いでいる。要因は一大産地の九州・有明海で続く記録的な不作による国産の減少だ。ピーク時には年100億枚を超えていた生産量は、直近5年平均で60億枚程度に落ち込んでいる。不作の要因には温暖化に伴う海水温の上昇に加え、冬場の干ばつ傾向による河川からの栄養不足などが指摘されている。
 ▼日本の海苔の歴史は古く、約1300年前から朝廷への貢納品として珍重され、奈良・平安時代には貴族の食卓にも登場。江戸時代に入ると養殖が始まり、庶民に普及した。おにぎりはもとより、海苔巻きやのり弁、佃煮〈つくだに〉など日本人の食に不可欠な食材となっている。
 ▼国産海苔の養殖施設は規模拡大や機械化が進み、効率的な生産体制が整えられているそうだ。とはいえ、農業同様に自然環境の影響を受けやすく、強まる気候変動の逆風に立ち向かうのは容易ではない。せめて、日本人として、国産米で炊いたご飯を握り、国産海苔を巻いて口いっぱいにほおばる。その価値の大きさに思いをはせたい。