ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

今週のヘッドライン: 2025年04月 4週号

多様な担い手を育成 農家主体で農業塾(1面)【2025年4月4週号】

250404_1.jpg

 大阪府富田林市の農家30戸が組織する「富田林市の農業を創造する会」は、多様な担い手を育成する「きらめき農業塾」を運営。都市住民などを含め年代を問わず受け入れ、1年間にわたり、農機具の使い方をはじめ、農業の基本的な技能や知識などを伝達。独立就農を目指す卒業生には、農地確保や農機の貸し出し、販路提供など経営開始を手厚く支えるとともに、雇用就農に加え、農業関連事業への就業や体験農園の利用拡大など関係人口創出にも貢献している。

(1面)

〈写真:「卒業生の野菜を食べるのが一番の喜び」と中筋さん(左から2番目)。川口さん(左)のレタス圃場で。右は月村さん〉

新たな「酪肉近」決まる(2面・総合)【2025年4月4週号】

 農林水産省は11日、新たな酪農および肉用牛生産の近代化を図るための基本方針(酪肉近)を公表した。対象期間を5年とし、2030年度の生乳の生産数量目標は23年度実績と同じ732万トン、牛肉(枝肉ベース)は1万トン増の51万トンに設定。脱脂粉乳の在庫積み上がりや枝肉・子牛価格の低下などを踏まえ、需要拡大と需要に応じた生産を推進し「需給ギャップの解消」を図る方針を明記した。持続可能な畜産経営の実現に向け、長命連産性重視の乳用牛群への転換や肉用牛の早期出荷などを通じた生産性の向上、国産飼料の生産・利用拡大による輸入飼料依存の低減などを柱に据えた。高齢化の進展に伴い酪農・畜産農家の急減が予測される中、次世代が展望を持って参画できる酪農・畜産の確立へ実効性ある施策の抜本強化が必要だ。

(2面・総合)

組合員総意で円滑運営 NOSAI組合の通常総代会(3面・NOSAI)【2025年4月4週号】

 NOSAIの各組合では毎年、5~6月に通常総代会を開く。地域の組合員から選ばれる総代が出席し、組合員の意見を届けて組合運営に反映する重要な場だ。総代をはじめNOSAI部長や損害評価員で構成される基礎組織が組合の円滑な運営を支えている。総代会や基礎組織の役割などを改めて紹介する。

(3面・NOSAI)

食品への価格転嫁 労務費の反映遅れる(4面・流通)【2025年4月4週号】

 農林水産省は、2024年度食品等流通調査報告書を公表した。食品等流通法に基づき小売りまでの各事業者などを対象に取引の状況の聞き取り結果などをまとめたもの。価格転嫁では、原材料費や物流費の上昇を理由とする転嫁は進展する傾向が見られる一方、労務費の上昇は進展が遅れている状況が確認された。政府は費用を考慮した合理な価格形成に向けて今国会に同法の改正案を提出。改正案では「買い手側は、売り手側から費用などの考慮を求める旨の申し出があった場合は誠実に協議」「商習慣の見直しなど持続的な供給に必要な提案には売り手と買い手双方で検討・協力」―を努力義務とし、取り組みが不十分な場合は指導・助言、勧告・公表を行う旨を定めている。

(4面・流通)

耕作放棄地を"お花畑"に(5面・すまいる)【2025年4月4週号】

  耕作放棄地が地域の課題となる中、花々を作付けて土壌の流出や地力保全、送粉昆虫の確保など農地維持や農業振興につなげようという取り組みがある。「耕作放棄地のお花畑化プロジェクト推進協議会」の代表を務める中村純さん(玉川大学名誉教授)に、活動のポイントを教えてもらう。

(5面・すまいる)

延べ作業時間が7割減に 生分解性マルチの導入効果を検証(7面・営農技術・資材)【2025年4月4週号】

 生分解性マルチをトラクターですき込んだ場合、通常のポリマルチの剥ぎ取り作業と比べ、延べ作業時間を平均7割程度削減できることが分かった。農研機構が先ごろ東京都内で開かれた農業用生分解性資材の普及に向けたセミナーで昨年度実施した調査の結果を報告した。経費の比較結果も明らかにし、ネギの圃場試算では、ポリマルチが剥ぎ取りから処分まで10アール当たり5万5千円程度かかるのに対し、生分解性マルチはすき込みにかかる3500円程度となったと説明。生分解性マルチの購入費用は割高だが、人件費を含め処分までの経費全体でみると安上がりになる例もあるとし、導入検討を呼びかけている。

(7面・営農技術・資材)

豪雨からの復興胸に【岡山県・4月4週号】

250404_7.jpg

 【岡山支局】倉敷市真備町で水稲200アールを栽培する渡辺徳仁(わたなべのりひと)さん(45)。2018年の西日本豪雨をきっかけに、地元の復興のため15年間勤務していた塾の講師を退職し、実家の米農家を継いだ。

〈写真:食欲をそそる香りでいっぱいのニンニク畑と渡辺さん〉

ハチの負担減らして甘い蜂蜜へ【岩手県・4月4週号】

250404_8.jpg

 【岩手支局】「甘い蜂蜜を取るために、ミツバチを大切にしている」と話すのは雫石町野中で養蜂を営む簗場孝一さん(70)。蜂蜜を採取する期間を限定して、ミツバチの負担を減らした。

〈写真:「外気温が8度を超えるとミツバチが動き始める」と簗場さん〉

サクランボ 遅霜対策/安定した保温効果【山形県・4月4週号】

250404_9.jpg

 【山形支局】サクランボ47アールを栽培する南陽市宮崎の田口孝さん(44)方では、近年頻発する春先の凍霜害対策に、全面開閉型の雨よけハウスを設置し、被害防止に備えている。
 田口さんはこれまで、ジェットヒーターや燃焼法で降霜への対策を実施。しかし、近年の温暖化で開花期が早まり、遅霜の被害が多くなったことをきっかけに、降霜対策用ハウスを新設した。

〈写真:屋根面の被覆材を巻き上げる田口さん〉

与論農業 盛り上げたい【鹿児島県・4月4週号】

250404_10.jpg

 【鹿児島支局】与論町茶花の白尾浩希さん(44)は、サトウキビを栽培する傍ら、動画投稿サイト「ユーチューブ」で情報を発信している。「与論の農業を盛り上げ、次の世代につないでいきたい」と担い手確保に力を注ぐ。

〈写真:軽妙なトークで島の農業を伝える白尾さん〉

炭作り復活・継続 農閑期の収入源に【福島県・4月4週号】

250404_11.jpg

 【福島支局】水稲4ヘクタールとニンジンやジャガイモなどの野菜10アールを栽培する石川町の山田耕見(やまだこうみ)さん(67)は、農閑期の収入源として昔から町で行われていた炭作りに励んでいる。

〈写真:できた炭を取り出す山田さん〉

独立就農へ準備着々とに【石川県・4月4週号】

250404_12.jpg

 【石川支局】高校、大学と体操競技の選手として活躍し、国体にも出場経験のある小松市吉竹町の齊官志織(さいかんしおり)(28)が、JA小松市のアグリスクールで学んでいる。「小さい頃から食べる事が好きで、米や野菜を生産する経緯にも興味があった」と話し、2025年6月の就農に向けて準備を進めている。

〈写真:研修用のハウスでトマトを管理する齊官さん〉

防風林「進む少子化に向き合う【2025年4月4週号】」

 ▼「おはよう」。通勤時、真新しいランドセルを背負った女の子の元気な声。同じ1年生と思われる友人ら数人と合流し、楽しそうに歩いて行く。子どものころから見慣れた風景。ただ、わが母校も児童数がだいぶ減っているそうだ。
 ▼文部科学省によると、2024年度の全国の小学校の児童数は前年度比10万8千人減の約594万人となった。43年連続の減少で、調査開始以降初の600万人割れとなり、ひと学年の平均が100万人を下回った。2023年度には191の公立小学校が姿を消し、新入生が1人もいない学校も増えている。さらに24年の出生数は72万人台に。少子化対策は待ったなしだ。
 ▼「小学校もなくなり、ここでの結婚・子育てはなかなか厳しいのが現実。車で30分ぐらいの町の中心部からの通い農業もありだよ、と伝えている」。中山間地で果樹栽培に取り組む40代の農家から、親元就農を志す大学生の息子への思いを聞いた。地域農業を次世代につないでいくために、柔軟な対応も大切になっている。

» ヘッドラインバックナンバー 月別一覧へ戻る