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今週のヘッドライン: 2025年05月 4週号

能登半島地震から1年半 地域内連携で将来へ(1面)【2025年5月4週号】

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 「令和6年能登半島地震」からまもなく1年半。石川県志賀町で稲作経営を展開する株式会社ゆめうららは、地割れなどで作付け不能となった水田20ヘクタール超を自社で修復し、震災前と同等の55ヘクタールで作付ける。復興の先も見据え、能登町の酒蔵とともに地域内連携を重視した経営を展開する。代表の裏貴大さん(38)は「助け合える仲間がいることに希望を感じる。この地域を次世代に託せるようにしていきたい」と話す。

(1面)

〈写真:作付け再開した水田で裏さん。「復興を機に、能登の農業をより良くしたい」と話す〉

小泉新農相が就任 米価安定へ全力(1面)【2025年5月4週号】

 江藤拓農相の辞任に伴い、小泉進次郎元環境相が21日、新農相に就任した。同日の就任会見で「米を安定した価格で供給できるよう全力で取り組む」と強調。5月28日から予定していた政府備蓄米の第4回入札を中止し、新たに任意の事業者と契約する「随意契約」も活用した仕組みに見直す考えを表明した。食料安全保障の抜本的強化に向けて新たな食料・農業・農村基本計画に基づく施策を集中的に実施していく考えを明言するとともに「消費者の立場をもっと考えた農政を実現する」とも述べた。

(1面)

備蓄米売り渡し 随意契約に転換へ(2面・総合)【2025年5月4週号】

 米価の高騰・高止まりが続く中、政府は備蓄米の売り渡し方法を見直す。小泉進次郎新農相は21日の就任会見で、5月28日に予定していた第4回入札を中止し、特定の業者を選ぶ随意契約による販売実施へ制度設計を急ぐ方針を表明した。政府備蓄米はこれまでに3回入札が行われ、約30万トンが落札されている。ただ、米の店頭価格は2週ぶりに上昇し、調査開始(2022年3月)以降の最高値を更新。4月の相対取引価格も再び上昇に転じるなど、米の需給と価格の安定は見通せない状況となっている。

(2面・総合)

積算温度計を設置 NOSAIとちぎが良質米生産を支援(3面・NOSAI)【2025年5月4週号】

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 今夏も全国的な猛暑が予想され、水稲の高温障害への対応が課題となる中、NOSAIとちぎ(栃木県農業共済組合)では、今年も7月から県内の協力農家などの水田107カ所に積算温度計を設置する。損害防止事業の一環で、計測したデータは組合のホームページで公開。地域や品種ごとの収穫適期を判断する目安にしてもらうことで、良質米生産を支援する。

(3面・NOSAI)

〈写真:積算温度計を設置する箱(右)と積算温度計(左)〉

米の価格高騰 政策研究大学院大学・髙橋仁志特任教授に聞く(4面・流通)【2025年5月4週号】

 昨年夏以降、米の需給は混乱し、相対取引価格やスーパーなどの店頭価格は高騰・高止まりが続いている。政策研究大学院大学の髙橋仁志特任教授(元・全国農業共済組合連合会統括参事)に現下の米需給の要因などを聞いた。

(4面・流通)

防ごう食中毒 ムシムシで細菌増殖(5面・すまいる)【2025年5月4週号】

 今年は例年よりも暑い初夏となったうえ、まもなく本格的な梅雨に入り、ムシムシした日々が続きそうだ。特にこの時期は細菌が繁殖しやすく食中毒の発生リスクが高まる傾向にある。家庭でできる食中毒予防のポイントを政府公表資料から紹介する。

(5面・すまいる)

イノシシ猟+加工+販売/魅力を広めたい【広島県・5月4週号】

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 【広島支局】「イノシシ肉のおいしさをたくさんの人に知ってもらいたい」と話す梶田峰生さん(52)は、府中市上下町で「猟師の店 峰屋」を営む。妻・恵さん(50)のサポートの元、イノシシの捕獲から食肉処理、販売に取り組んでいる。

〈写真:峰生さんは地域の有害鳥獣駆除班の隊長としても活動する。右は妻の恵さん〉

リスク減らし安定経営へ【高知県・5月4週号】

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 【高知支局】10年前に兵庫県から高知県に移住してきた髙木健一郎(たかきけんいちろう)さん(51)は、須崎市のビニールハウス2棟でシシトウ約30アールを栽培している。園芸施設共済と収入保険に加入。リスクを減らし、安定的な経営ができるように取り組んでいる。

〈写真:「会社員時代もテニスをしたり、体を動かしたりするのは好きでしたが、直射日光やハウス内の暑さはしんどいです」と健一郎さん〉

カラフルな完熟トマト/直売所とネット販売【岐阜県・5月4週号】

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 【岐阜支局】美濃市松森でミニトマト8品種、中玉トマト1品種をハウス14アールで栽培し、直売所「ささべじ」を経営する笹本和樹さん(40)。2018年から農薬不使用による栽培に取り組んでいる。

〈写真:「トマトらしい味が好評で、茶色が一番人気」と話す笹本さんは水稲2.5ヘクタールも作付け。野菜ほか、野菜の加工品や自家産米によるポン菓子も販売する〉

自社産ジェラートを自販機で/ドキドキ楽しめる"ガチャ"も【山形県・5月4週号】

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 【山形支局】「お客さまにいつもワクワクを届けたい」と話す米沢市竹井の濱田篤さん(44)は、代表取締役を務める「はまだ牧場」で、自社生産の新鮮な生乳を使ってジェラートを製造する。キッチンカーや自動販売機で販売し、常連客でも飽きずに楽しめる工夫を凝らす。

〈写真:「原材料とおいしさにこだわったジェラートをぜひどうぞ」と濱田さん〉

防風林「米価対策は稲作農家への支援とセットで【2025年5月4週号】」

 ▼ガソリン価格抑制に向けた政府の新たな支援制度が始まった。1リットル当たり10円を定額で補助する仕組み。28日までの1週間は全国平均の店頭価格が前週比で5円下がるよう、石油元売り各社に7円40銭を支払う。その後は毎週1円ずつ値下がり幅が大きくなるよう上積みする。
 ▼従来の仕組みは、店頭価格185円程度を目安に補助額を調整していたため、現下のように目安を下回ると補助はゼロだった。新制度導入で家計の負担緩和が期待される。一方、定額補助は急騰時の価格抑制効果が薄まる面も。今後の原油相場には注視が必要だ。
 ▼相場といえば、国民の最大の関心事は米。石破政権はスーパーの全国平均価格が5キロ当たり4000円を超える状況を問題視し、早期に3千円台に下げる方針を打ち出した。随意契約による備蓄米の追加販売や増産推進など対策を強化するという。
 ▼ガソリン価格同様、米価高騰も家計を圧迫しており、対策の必要性は理解できる。ちなみに3年前に始まった一連のガソリン補助事業で計上された政府の予算は8兆円余り。稲作農家への十分な支援もお忘れなきよう。

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