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今週のヘッドライン: 2025年06月 1週号

主食用米40万トン増産へ 25年産作付け意向(1面)【2025年6月1週号】

 農林水産省は5月23日、2025年産の水田における都道府県別作付け意向(4月末時点)を示した。主食用米は前年産実績比7万5000ヘクタール増の133万4000ヘクタール(備蓄米1万7000ヘクタールを含む)となった。米価高騰・高止まりなどを背景とした増産意欲の高まりが要因。平年単収(10アール当たり539キロ)で試算すると、生産量は40万トン増の719万トンとなり、直近5年で最大の生産量になる見込みだ。増産幅は統計開始(04年産)以降最も大きくなる。ただ、米価引き下げに向け、政府が備蓄米の大規模放出を続ける中、大幅な需給緩和を心配する声もある。

(1面)


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【2025年6月1週号】

随意契約の備蓄米を本格販売へ 実質61万トンが流通(2面・総合)【2025年6月1週号】

 随意契約による政府備蓄米の売り渡しを巡り、農林水産省は5月29日、大手小売業者61社からの計22万トンの申し込みが確定したと公表した。既に通販サイトでは、5キロ当たり2千円程度(税抜き)での予約販売が始まっており、今後は店頭での販売も本格化する見通しだ。米価の高騰・高止まりが続く中、政府は早期の価格引き下げを目指す。ただ、備蓄米の売り渡し量は計61万トンに上る見込みで、価格水準のみが一人歩きする状況もある中、2025年産の新米価格への影響を心配する声も出ている。政府は、生産現場が安心して増産に取り組める環境整備を大前提に需給と価格の安定化を進める必要がある。

(2面・総合)


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【2025年6月1週号】

自民党が緊急決議 構造転換へ別枠2.5兆円を(2面・総合)【2025年6月1週号】

 自民党は5月23日、食料安全保障強化本部など合同会議を開き、今後5年間の農業構造転換集中対策実施に向け政府に既存の予算とは別枠で総額2兆5千億円程度(うち国費1兆3千億円程度)の予算確保を求める緊急決議を採択した。特に構造転換の前提となるハード整備を伴う事業は、思い切った規模の予算と中長期的な事業実施の展望を示し、地域の合意形成の後押しと担い手への農地の集積・集約化などを進めていくことが重要と訴えた。

(2面・総合)

凍霜害・高温障害 高まるリスクに収入保険で備え(3面・収入保険)【2025年6月1週号】

 山形県寒河江市石持町の佐藤義広さん(68)は、妻の弘美さん(62)とサクランボ160アール、リンゴ30アールを栽培する。サクランボは直売で多くのリピーターをつかみ、収穫シーズンには観光果樹園としてサクランボ狩りも受け入れている。地域では若手の新規就農もあり、剪定(せんてい)などの技術指導にも積極的だ。近年目立っている凍霜害や高温障害などのリスクに備え、収入保険に加入して安定経営に努めている。

(3面・収入保険)

わが家のトマト栽培の悩み解決へ(5面・すまいる)【2025年6月1週号】

 自家用栽培でも人気を集めるトマト。育てるなら、 おいしいトマトをたくさん取りたいところ。菜園プロ デューサーとして、野菜の栽培技術を教える「唐草ナ レッジ」代表の斎藤弥生子さんに、これからの時期の 栽培管理のポイントなどを教えてもらう。

(5面・すまいる)

園芸施設の強風対策 点検の徹底と補強を(7面・営農技術・資材)【2025年6月1週号】

 近年、過去に例を見ない気象により、各地で農業用ハウスに大きな被害が多発している。特にこれからのシーズンは、台風や暴風雨に備え被害防止・軽減対策が重要となる。茨城県が昨年8月に改訂した「農業用ハウス災害被害防止マニュアル」から、日常的な保守管理や被害の分類を踏まえた補強対策の要点などを紹介する。

(7面・営農技術・資材)

施設内で野菜など水耕栽培×チョウザメ養殖【新潟県・6月1週号】

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 【新潟支局】長岡市上前島の「株式会社プラントフォーム(山本祐二代表取締役最高経営責任者〈CEO〉、45歳)」では「アクアポニックス」というシステムでレタスやケール、エディブルフラワー(食用花)などを生産すると同時に、チョウザメの養殖も行っている。水耕栽培と魚の養殖を同じ設備で行う手法で、魚の排せつ物をバクテリアが分解することで植物の液肥に利用できる。農薬や化学肥料を使わず栽培できるほか、植物が水を浄化する作用も持つ。

〈写真:「レタスをはじめ、カラーホウレンソウやもエディブルフラワーなど多品目を栽培しています」と山本CEO〉

父の米 3姉妹で握ってます【福井県・6月1週号】

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 【福井支局】「家族が作ったおいしいお米を多くの人に食べてほしいという子供の頃からの夢がかなった」と話すのは、坂井市丸岡町の南出知葉(ともは)さん(26)。姉の帆摘(ほづみ)さん(28)と妹の芽里(めいり)さん(24)と共に、おにぎり専門店「Sanshimai(さんしまい)」を営む。

〈写真:「けんかもしたが、姉妹だからこそのあうんの呼吸でいけたことも多い」と知葉さん(中)、帆摘さん(右)、芽里さん〉

大切なブドウ園 継承者を募る【山口県・6月1週号】

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 【山口支局】「農園を継承していただける方に良い条件で譲り渡したい」と話すのは、周南市須金(すがね)の広実(ひろざね)農園園主・広実文博さん(70)。23歳の時に、両親から引き継ぎ守ってきたブドウ園(約150アール)の継承者を募っている。

〈写真:園地で広実さんと妻・まり子さん(71)。「1976年に植栽した2本の木には、両親の名前を付けて大切に管理してきました」と話す〉

防風林「虫の日に生物多様性を考える【2025年6月1週号】」

 ▼気温が上がり、湿度も高くなる季節が到来。気圧の変化や寒暖差なども加わって、心身に不調を来す人も。いわゆる"梅雨だる"の対策には、規則正しい生活を基本に食事や服装の工夫による適切な体温調節が有効だそうだ。
 ▼一方、高温多湿になると元気になる生き物も少なくない。その一つが虫。特にダニやコバエなどには快適な環境となる。農作物に被害をもたらす害虫にも一層、厳重な警戒が必要だ。
 ▼この時期、その姿を多く見せてほしいと願う虫もいる。二十数年前、取材先でホタルが田んぼのまわりを舞う姿を初めて見た時の感動は今も鮮明に覚えている。「ぜひ見ていって」との厚意に甘え、談笑しながら日没を待った農家とのひとときも、忘れることはない。
 ▼きょう、6月4日は「虫の日」。漫画家の故・手塚治虫さんら虫愛好家が設立した「日本昆虫クラブ」が虫の住める街づくりを掲げ、制定した記念日だ。国連などは温暖化など環境の変化が虫たちにも深刻な打撃を与えていると警告している。正直、苦手な虫は多い。ただ、豊かな生態系を支えている小さな命から生物多様性保全の大切さを改めて考えてみる。

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