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今週のヘッドライン: 2025年06月 3週号

獣医療さらに充実 NOSAI北海道が遠隔診療を活用(1面)【2025年6月3週号】

 NOSAI北海道(北海道農業共済組合)では、家畜の遠隔診療(オンライン診療)に取り組んでいる。スマートフォンやタブレット端末など情報通信機器を利用し、ビデオ通話で患畜の状態をNOSAI獣医師と共有。獣医師による迅速な診察を通じて疾病の早期治療の実現など農家へのサービス向上につなげている。"《備えの安心》をお届けします"を掲げ、獣医療提供のさらなる充実を目指す。

(1面)

備蓄米20万トンを追加放出 農相一日も早く3千円台に(2面・総合)【2025年6月3週号】

 農林水産省は10日、新たに政府備蓄米20万トンを随意契約で放出すると発表した。対象は2021年産と20年産を各10万トン。購入を希望する大手・中小の小売店や米穀店に売り渡す。同省は新たな販売分の店頭価格は5キロ1700~1800円(税抜き)程度と想定。政府は米価引き下げを目標に掲げ、対策を強化する。ただ、全量が販売されれば、一般競争入札分を含め備蓄米の販売量は合計81万トンに積み上がり、供給過剰への懸念から25年産米の生産に影響を与える可能性もある。追加放出で残りは10万トン程度と見込まれる政府備蓄米の確保も課題となる。

(2面・総合)

NOSAI団体が農相に予算要請 収入保険を重点推進(2面・総合)【2025年6月3週号】

 NOSAI団体は12日、小泉進次郎農相に2026年度農業保険関係予算の必要額確保を要請した。NOSAI協会(全国農業共済協会)の髙橋博会長らが農林水産省内で小泉農相と面会し、農業保険のさらなる浸透に役職員一丸で取り組んでいる旨を説明。現下の米の需給状況を踏まえ、特に稲作農家の経営安定に向けて収入保険の加入推進をより重点的に実施することなどを強調した。

(2面・総合)

改正食品・流通法など合理的な価格形成法成立(2面・総合)【2025年6月3週号】

 合理的な費用を考慮した価格形成の仕組みを整備する改正食品等流通法などが11日、参院本会議で可決、成立した。売り手と買い手双方に費用などを考慮する「努力義務」を規定。取り組みが不十分な場合は必要な指導・助言や勧告・公表を行う。来年4月の施行を目指す。

(2面・総合)

スローフラワー広めたい(5面・すまいる)【2025年6月3週号】

 神奈川県相模原市牧野の三井聡子さん(48)は、通訳業・翻訳業の傍ら、「スローフラワー」をコンセプトに季節の花きを少量多品目で栽培する。農薬や化学肥料を使わないなど環境への負担軽減を図りながら生産した花を地域で消費する取り組みで、収穫した花きは県内の花屋を中心に出荷する。SNS(交流サイト)で日々の農作業の様子を発信するほか、農園ツアーを開催するなど活動を知ってもらおうと日々力を注ぐ。

(5面・すまいる)

雑草イネの拡大防げ 早期の発見・対策を(7面・営農技術・資材)【2025年6月3週号】

 主食用米の減収や品質低下を引き起こす難防除雑草「雑草イネ」。水稲に紛れて生育するため、まん延防止には早期の発見と防除が重要だ。だが、水稲と同じイネ科で水稲用除草剤が効きにくいなどの課題がある。そのため、手作業による抜き取りのほか、周囲への拡散防止へ発生圃場の作業を最後に行うなどの耕種的な対策も必要になる。対策を進めている長野農業農村支援センター(長野県)の資料などから雑草イネの特徴や防除のポイントをまとめた。

(7面・営農技術・資材)

啓翁桜生産/耕作放棄地再生に力【山形県・6月3週号】

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 【山形支局】啓翁桜と長ネギを主軸に栽培する東根市若木の「サクラヒラリ株式会社」代表取締役を務める飯澤政人さん(39)は、登山家として活動しながら、啓翁桜の生産から販売、耕作放棄地の再生にも力を注いでいる。

〈写真:啓翁桜の老木を切り戻し、新芽を出す作業を行う飯澤さん(写真提供=飯澤さん)〉

自動ミスト散水装置を自作【千葉県・6月3週号】

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 【千葉支局】南房総市の田山牧場=搾乳牛20頭、乾乳牛2頭、育成牛9頭=では昨年、自動でミスト(細霧)を散水する装置を自作し、牛舎内温度の低下につなげている。

〈写真:アプリで散水の調整が可能だ〉

紅茶を自園自製/甘く香りが強く【広島県・6月3週号】

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 【広島支局】東広島市高屋町の「御屋敷紅茶工房」の代表を務める山本陽子さん(76)は、畑25アールで茶を栽培。農薬や化学肥料を使わず、全て手作業で仕上げる「白市(しらいち)紅茶」で白市地区の活性化を目指す。

〈写真:作業する山本さん(右)とお茶摘み隊のメンバー〉

防風林「国民が支えなくてどうする【2025年6月3週号】」

 ▼日本人におなじみのサンマにサケ、スルメイカがいずれ食べられなくなるのでは、と不安になる。6日公表の2024年度水産白書によると、これら3種の23年漁獲量は計10万7000トンで10年前の5分の1に激減。海面水温の上昇や海流の変化が魚介類の分布や資源量に影響を与えているという。

 ▼さらに心配なのが漁師の減少だ。23年の漁業就業者数は約12万1000人と10年前から3割減った。65歳以上が4割を占める中、気候変動による不漁や燃料費高騰などを受け、一部漁港では魚と漁師のどちらが先にいなくなるか、との声もあるそうだ。漁業大国としてかつて110%超を誇った日本の水産物自給率は54%に半減し、世界有数の水産物輸入国に変容している。

 ▼国内農業も同様の状況で、食料自給率の低迷は言わずもがな。不足分は輸入すればいいとの意見もあるが、世界人口の増加や気候変動の激化、地政学リスクの高まりなどを見れば、説得力はない。何より日本人の食を支えている日本の農民・漁民を国民が支えなくてどうする。

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