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今週のヘッドライン: 2025年07月 2週号

ミカン産地を次世代へ 三重県御浜町でシンポジウム(1面)【2025年7月2週号】

 ミカン産地として知られる三重県御浜町でこのほど、後継者確保に向けたシンポジウム(ウェブ併催)が開かれた。座談会に参加したベテラン農家は「産地維持には、若い世代に農地を託すことが必要」と強調。ミカン農家としてスムーズな独立・定着へ、産地一体での支援の重要性を訴えた。一方、現在研修中の若手からは「農業を始めている、始めようとしている人が多くいる中で、農地確保に苦戦している」との発言も上がった。

(1面)

「大人の食育」推進 食品関連企業と連携強化(2面・総合)【2025年7月2週号】

 農林水産省は6月27日、官民連携食育プラットフォーム設立総会を開き、食品関連企業などと連携し「大人の食育」を推進する取り組みを始めた。朝食の欠食をはじめ、消費者の食への関心低下や農業現場に対する理解不足などが課題となる中、食生活の改善や食卓と生産現場の距離を縮める活動を強化する。国内生産基盤に立脚した食料安全保障の確保には、消費者の理解・支持の下で生産者が安心して営農継続できる環境づくりが欠かせない。合理的な価格形成に向けた食料システム法の実効性を確保する観点からも、食と農をつなぐ食育活動の実践・強化が求められる。

(2面・総合)

不安なき米増産に転換 安定供給実現会議で決意(2面・総合)【2025年7月2週号】

 政府は1日、米の安定供給等実現関係閣僚会議の第2回会合を開き、石破茂首相は2025年産から増産を進める考えを強調した。「意欲ある生産者の所得が確保され、不安なく増産に取り組めるような新たな米政策へと転換する」と述べた。会議で、石破首相は政府備蓄米の店舗販売が拡大し「米価が3千円台の水準になった」と成果を強調。小泉進次郎農相に対し、手を緩めることなく価格のさらなる安定に向けた対応を指示した。

(2面・総合)

2024年「農業法人白書」 人材確保へ環境整備進む(3面・ビジネス)【2025年7月2週号】

 日本農業法人協会は、2024年の「農業法人白書」を公表した。会員法人は稲作経営の平均経営規模が80.7ヘクタールとなるなど規模拡大が進展。平均売上高(全業種)は4億円と3年連続で最高値を更新した。また、9割超が賃上げを実施し、人材確保へ福利厚生の充実や人事評価制度を導入する動きも広がっている。一方、コスト上昇が経営課題に挙がっており、天候不順や労働力の不足も経営リスクとなっている。農業者の減少に伴い、地域営農の受け皿として役割の発揮が期待されている農業法人の現状を白書から整理した。

(3面・ビジネス)

スズメバチに注意! 被害防止のポイント(5面・すまいる)【2025年7月2週号】

 夏はスズメバチに注意。この時期は活動が活発化して攻撃性が高まり、毎年、刺傷被害が多発している。巣に近づかないことはもちろん、草刈りなどの農作業中は特に警戒が必要だ。福島県内で活動する「ルイワン蜂・害虫駆除セ ンター」の代表・大類幸夫さんに被害防止のポイントや、刺されたときの対応などを聞いた。

(5面・すまいる)

全国豆類経営改善共励会 高品質・多収を追求(7面・営農技術・資材)【2025年7月2週号】

 国産大豆などの生産振興を図る2024年度全国豆類経営改善共励会(主催・JA全中など)の表彰式が6月27日、東京都内で開かれた。農林水産大臣賞(大豆・家族経営の部)は、スマート農業技術と営農支援システムで高収益・高品質の大豆生産を実現している株式会社おしの農場(山形県天童市)の代表・押野和幸さんが受賞した。受賞3経営体の概要を紹介する。

(7面・営農技術・資材)

積極的にスマート農業【長野県・7月2週号】

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 【長野支局】サラリーマンから一転、父親から農業を引き継ぎ、就農4年目を迎えた松本市の森崎幸司(もりさき こう じ)さん(55)は、水稲20ヘクタールを主軸に、野菜60アールを栽培する。農業従事者は両親とアルバイト8人という限られた人数のため、スマート農業技術を積極的に導入し、10アール当たり収量の確保と品質向上、経費低減に取り組んでいる。

〈写真:独自で設置した気象センサーの横に立つ森崎さん。データを公開している〉

園芸施設共済 特約にも加入【和歌山県・7月2週号】

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 【和歌山支局】「近年、災害の頻度が増加し、また南海トラフ巨大地震発生が心配です。園芸施設共済に加入しておけば、万が一の災害でも迅速な復旧が可能になります」と話すのは、田渕道人(たぶち みちひと)さん(51)。美浜町でイチゴを栽培する。
 2011年に家業の農業を継ぎ、ハウス栽培一筋。県のオリジナルイチゴ品種「まりひめ」の育苗から加工まで幅広く取り組んでいる。就農後、知人の紹介でNOSAIの存在を知り「災害でハウスが倒壊すると経営の再建が難しい」との危機感から加入を決意したという。

〈写真:苗の管理に余念がない田渕さん〉

オリーブが昨年初収穫【山梨県・7月2週号】

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 【山梨支局】「農業を楽しみ、さまざまなことに挑戦したい」と話すのは、南アルプス市飯野の名執小百合(な とり さ ゆ り)さん(55)。3年前に「マンザニロ」などオリーブ6品種を定植し、昨年初めて収穫できるようになった。

〈写真:「ピクルスやせっけんを作って販売したい」と小百合さん〉

樹上完熟の「由宇とまと」/ハウス内環境をデータ化【山口県・7月2週号】

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 【山口支局】岡﨑昌秀(おか ざき まさひで)さん(37)は岩国市由宇のハウス3棟約15アールでトマトを栽培する。「よりおいしいトマトができるよう、日々情報を仕入れて実践しています」と話す。

〈写真:「自動重量選別機を取り入れ、以前よりも早く袋詰め作業ができるようになりました」と岡﨑さん


自家農園産小麦などで本格ドイツパン【三重県・7月2週号】

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 【三重支局】いなべ市藤原町の「フライベッカーハウス」は、ドイツ国家が職のスペシャリストとして認める資格"ゲゼレ"を取得した寺園紗也さん(45)が営む本格ドイツパンの店だ。

〈写真:「お酒をおいしく飲みたい。そのためにドイツパンが必要だったの」と紗也さん〉

防風林「新紙幣1年 アナログ体験で分かる価値【2025年7月2週号】」

 ▼「諭吉」から「栄一」に変わって1年。キャッシュレス化の波に乗り、現金を持ち歩くことが減ったとはいえ、どちらも手元に来れば気分は上がるし、離れる際は寂しくなる。
 ▼最近は子どもへのお小遣いを電子マネーで渡す親が増えているそうだ。○○ペイなどにチャージ(入金)することで、財布を持たせる必要がなく、使用履歴が把握できるのも安心という。ちなみに昨年のキャッシュレス決済比率は42.8%で、政府の25年4割目標を前倒しで達成。経済産業省は80%を目指し、環境整備を推進する方針だ。利便性などを踏まえれば、より現金を使わない時代が来るのは既定路線。
 ▼ただ、小遣いをひそかに好きなことに使った時の満足感や現金が支払った後の喪失感などを味わいながら青春時代を育った身からすると、デジタル画面の数字のやりとりだけで感謝の心や経済感覚は育まれるのだろうか、とも思う。「学問は一種の経験であり、経験はまた一種の学問である」は渋沢栄一の言葉。アナログ体験で分かる価値もきっと多い。

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