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今週のヘッドライン: 2025年08月 4週号

農業女子メンバーが団結 万博で活動をアピール(1面)【2025年8月4週号】

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 全国の女性農業者の魅力や活動を発信する農業女子プロジェクトの有志メンバーが13日、大阪・関西万博で農産物や加工品を持ち寄り、自身の活動や思いなどを国内外に発信した。直接つながりのなかったメンバーが出展に向け農作業の合間をぬって協力。約4カ月間、オンラインでの打ち合わせを重ねながらプロモーション動画やチラシの制作など準備を進めてきた。当日の様子や参加への思いを紹介する。

(1面)


〈写真:私たちの活動をもっと知ってほしい」と出展ブースの前に集まる農業女子の有志メンバー。(左から)岡田さん、中岡さん、高村さん、津田さん〉

8月6日からの大雨 NOSAIは損害評価に全力(1面)【2025年8月4週号】

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 8月6日から12日にかけて低気圧と前線の影響により北日本から西日本の広い範囲で大雨となり、九州や北陸を中心に河川の氾濫や土砂崩れなど甚大な被害をもたらした。農業関係でも圃場の浸水や土砂の流入、農業用ハウスの倒壊など19日時点で23府県から被害が報告されている。被災地域のNOSAIでは、被害状況の全容把握と迅速・適切な損害評価に全力を挙げている。

(1面)

〈写真:熊本県美里町、12日撮影・NOSAI熊本提供〉

収入保険10万経営体達成 小泉農相「あらゆるリスクに対応」と強調(1面)【2025年8月4週号】

 小泉進次郎農相は8日の閣議後会見で、2025年の収入保険の加入者数が6月末時点で10万1000経営体と、制度開始から掲げてきた目標の10万経営体を超えたと発表した。近年の高温・渇水、大雨など「自然災害を中心に農業をめぐるリスクは顕在化している」と強調し、「あらゆるリスクに対応し、個々の経営ごとに、収入減少を補てんできる」と、未加入農家へ加入を呼びかけた。

(1面)

限界集落5年で9078増 高齢化と人口減が進展(2面・総合)【2025年8月4週号】

 国土交通省と総務省は8日、過疎地域など条件不利地における集落現況把握調査結果(2024年4月1日時点)を公表した。住民の半数以上が65歳以上の「限界集落」は3万1515集落となり、5年前の前回調査に比べ9078増加。集落数は694減り、1集落当たりの人口は14.6人減の180.2人となるなど、高齢化や人口減少が進む状況が改めて示された。一方で、集落支援員や地域おこし協力隊などサポート人材が活動する集落は増加傾向にあるなど新たな動きも見られる。国土保全や多様な文化などを含め集落が持つ価値に広く共有し、地域の実情に応じたきめ細かな支援を抜本強化する必要がある。

(2面・総合)

"自分らしさ"の充実を 女性農業者の交流・学び促進(5面・すまいる)【2025年8月4週号】

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 全国の女性農業者向けにオンラインサロンや講座を主催し、交流や学びの場を設けている長野県川上村の野菜農家・新海智子さん(46)。活動を通じて知り合った各地の農業者や研究者と協力し、女性農業者の仕事や生活などに関する独自の指標を設けて自己評価する「農業女性ハピネス診断」の仕組みづくりを進めている。新海さんは「より〝自分らしさ〟を大切にする文化をつくりたい」と話す。

(5面・すまいる)

〈写真:山並みを望むレタス圃場で新海さん。活動により「地域の良さにも気づける」と話す 〉

秋の農作業安全 厳しい残暑も注意(7面・営農技術・資材)【2025年8月4週号】

 気象庁は19日、3カ月予報を発表し、9~11月も全国的に平均気温が高く、厳しい残暑が見込まれるとした。引き続き熱中症対策の徹底が求められる。また、稲刈りシーズンとなる例年9月はコンバイン事故も多発傾向にあり、注意が必要だ。農林水産省の啓発資料などから、秋の農作業安全のポイントをまとめた。

(7面・営農技術・資材)

大玉トマトで機能性表示食品取得/"健康届ける会社"へ【福井県・8月4週号】

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 【福井支局】坂井市坂井町の三つ星株式会社は、栽培する大玉トマトで機能性表示食品を取得した。女性をターゲットに、紫外線刺激から肌を守る「リコピン」と、疲労感の軽減に関与する「クエン酸」の機能性を表示した2商品。県内の生鮮食品では事業者として初だ。現在、リコピンは販売しており、クエン酸は9月中旬から販売を予定する。

〈写真:「トマトは甘いだけではなく、酸味、うまみとのバランスが大事」と冨田美和代表取締役(47)〉

採卵鶏平飼い/発酵おからなど給与 黄色の卵黄に【奈良県・8月4週号】

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 【奈良支局】「うちの農園では野菜と鶏が同じものを食べて育っています」と話すのは、曽爾村の「種の実」代表・山下竜一郎(やましたりゅういちろう)さん(45)。おからを主原料に完熟堆肥と配合飼料を作る。採卵鶏には山下さんが毎日くんでくる湧き水を飲み水として与えていて「ハウスを利用した平飼いで悠々と育てています」と話す。

〈写真:卵を手に山下さん〉

酒米作りから醸造まで/日本酒輸出に注力【山口県・8月4週号】

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 【山口支局】宇部市の永山本家酒造場は、酒米の栽培から醸造・販売まで行う。永山貴博代表取締役社長(49)はワインの世界で自家栽培醸造家を指す「ドメーヌ」に影響を受け、自社で栽培した酒米「山田錦」を使用した酒を「ドメーヌ貴」と名付け、主力商品とする。交流サイト(SNS)や農業体験イベントなどを通じた積極的な情報発信や輸出で日本酒の市場拡大を目指す。

〈写真:主力商品「純米大吟醸ドメーヌ貴」〉


防風林「賢治生誕の日混迷の時代に響く言葉【2025年8月4週号】」

 ▼「雨ニモマケズ/風ニモマケズ/雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ/丈夫ナカラダヲモチ/慾(よく)ハナク/決シテ瞋(おこ)ラズ/イツモシヅカニワラッテヰ(い)ル」――。その詩はいつの時代も、天災や困難に立ち向かう多くの人々に寄り添い、励ましてくれる。
 ▼今夏も"災害級"の猛暑に見舞われ、渇水で苦しむ状況から一転、九州や北陸などを襲った記録的な大雨をはじめ全国各地で経験したことのない豪雨被害が相次いでいる。さらに気象庁は残暑も厳しいと見通しており、今後は台風の本格的な襲来期を迎える。
 ▼時に自然は牙をむく。ただ、この詩は「ヒド(デ)リノトキハナミダヲナガシ/サムサノナツハオロオロアルキ/ミンナニデクノボートヨバレ/ホメラレモセズ/クニモサレズ/サウイフモノニ/ワタシハナリタイ」と結ぶ。自然を前に人間の弱さや無力さも受け止める。だから、背中をそっと押してもらえる。
 ▼農学校の教諭に就くなど農民とともに生きた宮沢賢治は、著書『農民芸術概論綱要』で「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」と記し「自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する」と続ける。8月27日は、賢治生誕の日。混迷の時代、彼が残した言葉をかみしめる。

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