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今週のヘッドライン: 2025年09月 2週号

復興への思い結ぶ ボランティアと共に津波被災地を再生(1面)【2025年9月2週号】

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 「今年のブドウは、まずまずの出来。ワインを通じて復興の状況を発信したい」と話すのは、福島県富岡町で、とみおかワイナリーを運営する株式会社ふたばラレスの遠藤秀文代表(53)。ブドウ7ヘクタールを栽培し、この秋から自社の施設で醸造をスタートする。潮風が吹く園地は、東日本大震災で甚大な津波被害を受けた場所に広がる。原発事故で一時は全町避難を余儀なくされた町の復興へ向け、ワインを核とした交流の拠点づくりを進めてきた。月に1度は県内外からボランティアが集まって、園地での作業に参加。関係人口の創出にもつながっている。

(1面)

〈写真上:潮風が吹くワイナリー〉
〈写真下:今年から稼働する醸造施設で遠藤秀文代表〉

25年産水稲の生産見込み前年産比56万トン増へ おおむね順調(2面・総合)【2025年9月2週号】

 農林水産省は8月29日、2025年産水稲の10㌃当たり収量の前年比見込み(8月15日現在)を公表。前年を「上回る」が1県で、「やや上回る」は12府県、「前年並み」が29都道府県、「やや下回る」が4県となった。同省は56万トンの増産に向け「(作柄は)おおむね順調」と分析。政府備蓄米の販売分を合わせると現下の不足感を払しょくできるとしつつ、全国的な高温傾向の影響などを含め引き続き動向を注視する。

(2面・総合)

3年連続で最も暑い夏に 平年を2.36度上回る(2面・総合)【2025年9月2週号】

 気象庁は1日、今夏(6~8月)の日本の平均気温は平年を2.36度上回り、統計開始(1898年)以降で最高だったと発表した。これまでの最高(2023年と24年=いずれも平年比1.76度)を大幅に更新し、3年連続で最も暑い夏となった。同庁は10月にかけても全国的に気温は高くなるとし、引き続き熱中症予防対策の徹底を強く呼びかけている。

(2面・総合)

はじめての農福連携 農水省のマニュアルからポイント紹介(3面・ビジネス)【2025年9月2週号】

 農業に従事する人材の確保や定着が急務となる中、農業と福祉が連携する「農福連携」への関心が高まっている。農業を支える働き手の確保とともに、障害者などには自信や生きがいを持って社会参画を実現できるのが特徴。農林水産省が、農福連携を検討する農家向けに公表しているマニュアルから、はじめて農福連携を取り入れる際のポイントを紹介する。

(3面・ビジネス)

『お月見』を楽しむ 秋の収穫に感謝(5面・すまいる)【2025年9月2週号】

 澄んだ夜空に浮かぶ月を眺め、秋の収穫に感謝する「十五夜」。今年は、お月見で日本の伝統を感じながら、ゆっくりと過ごすのはいかがだろう。生活総合情報サイト「All About(オールアバウト)」で「暮らしの歳時記」ガイドとして活動する和文化研究家の三浦康子さんに「お月見の楽しみ方」について聞いた。

(5面・すまいる)

菜園のサル害 ネット柵で防ぐ(9面・営農技術・資材)【2025年9月2週号】

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 滋賀県獣害対策アドバイザーとして活動する多賀町の一円憲一さん(78)は、自家消費用などの小規模菜園のサル害対策として、独自に開発したネット柵を普及している。建設足場用のパイプを組んで周りはビニール製ネットで囲い、上部はワイヤメッシュで飛び込みを防ぐ。電気柵を使わなくても被害抑制効果が維持できるよう管理のしやすさも考えて工夫した。開発した柵のポイントを紹介する。

(9面・営農技術・資材)

〈写真:地元幼稚園のネット柵と一円憲一さん。積雪対応や管理の少なさも工夫した〉

IoTの筒状カプセル 牛の胃内投入/体調を見える化【岐阜県・9月2週号】

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 【岐阜支局】繁殖和牛47頭を含む肉用牛150頭を飼育する中津川市加子母の農事組合法人大杉畜産では、IoT(モノのインターネット)技術のCAPSULE SENSE(カプセルセンス)を導入。牛に飲み込ませた筒状カプセルで体温と活動量を測定し、365日24時間、グラフで「見える化」して体調を管理している。丹羽光太郎代表(44)は「牛の状態をいつでも見ることができ、作業が本当に楽になりました」と話す。

〈写真:丹羽代表と繁殖和牛。全ての繁殖牛にカプセルセンスを導入している〉

記録的豪雨被害から12年/農地復旧と再生に尽力【島根県・9月2週号】

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 【島根支局】2013年7月28日に津和野町を襲った記録的豪雨から12年。特に大きな被害を受けた同町名賀地区では、農事組合法人なよし(木村大輔代表理事、52歳)が農地の復旧と再生に尽力してきた。
 豪雨当時、同法人が管理していた水稲作付面積6.3ヘクタールのうち2.5ヘクタールが被災。収穫を目前に控えた中での被害で、圃場の復旧には約5年を要した。

〈写真:復旧した圃場を指でさしながら「当時は砂ぼこりでマスクをしながらの稲刈りでした」と話す木村代表〉

つる上完熟「ふく福すいか」/大雨で畦壊し被害最小限に【富山県・9月2週号】

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 【富山支局】「どこよりもおいしいスイカを作り上げたい」と話すのは、砺波市東別所で直売所を営むふく福柿出荷組合の組合長を務める宮木武司さん(52)。東別所地域で栽培される柿は「食べる人も作る人もみんなに福が来るように」との思いを込め"ふく福柿"と名付けられた。古くから地域の特産品として親しまれてきたが、夏にも販売できるものはないかと特産化を目指し、2019年から栽培に取り組んでいるのが"ふく福すいか"だ。積算温度を管理し、つる上で長く完熟させることで、より甘くみずみずしくなる。

〈写真:毎年買いに来る常連客にスイカを渡す宮木さん(右)〉

防風林「悪党への対策強化を【2025年9月2週号】」

 ▼能登半島地震の被災地にも"火事場泥棒"は現れていた。奈良女子大学の岡本英生教授らの研究チームはこのほど、能登北部地域での空き巣や店舗荒らしなど「侵入盗」の発生状況を統計学的な手法を用いて分析した結果、震災直後にその件数が有意に増加したことが確認されたと発表した。
 ▼多くの人が傷つき、避難を余儀なくされる状況下での卑劣な犯行。さらに昨年9月に被災地を襲った記録的な豪雨後にも、統計的な予測を上回る侵入盗が発生したというのだから、憤りは一層増幅する。
 ▼東日本大震災の被災地などでも発災後の混乱に乗じた犯罪が相次いだとされる。世界有数の地震大国であり、豪雨災害も頻発する中、もしもの時に安心して避難できる環境整備は重要だ。個人や地域での安全対策とともに、最新技術を活用した見回りの徹底などを含め、政府は被災地での防犯対策を強化してほしい。
 ▼収穫の秋を迎え、生産者の努力の成果を盗もうとたくらむ悪党にも注意が必要だ。特に最近は農家の倉庫などから米が盗まれる事件も散見されている。新米価格は前年産を上回ってスタートした。十分に警戒を。

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