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今週のヘッドライン: 2025年11月 3週号

復興の核に 原発被災地で大規模酪農(1面)【2025年11月3週号】

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 「この村で持続可能な酪農を実践していきたい」と話すのは、福島県葛尾村で大規模酪農に取り組む株式会社佐久間牧場の専務取締役・佐久間哲次さん(49)。東日本大震災に伴う原発事故で避難を余儀なくされ、牛を全頭手放すも帰還後に経営を再建。搾乳ロボットや牛群監視システムなど最新機器を導入した施設で、高品質乳生産に力を注ぎながら規模を拡大してきた。観光拠点としての発展も見据えつつ、雇用の受け皿となり、村の基幹産業であった酪農再興を目指す。

(1面)

〈写真:「牛にとって快適な環境を重視している」と話す佐久間哲次さん〉

運営の工夫を共有 全国直売サミットで情報交換(1面)【2025年11月3週号】

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 都市農山漁村交流活性化機構(まちむら交流きこう)は6日、長野市で「第22回全国農林水産物直売サミット」を開催。全国から直売所の関係者らが参加した。「この先の未来へ、地域における直売所の役割は何か」をテーマにしたトークセッションの要旨を紹介する。

(1面)

〈写真:トークセッションの様子〉

財務省が水活から飼料米除外提起 畜産政策の中で検討を(2面・総合)【2025年11月3週号】

 財務省は7日、財政制度等審議会財政制度分科会を開き、農林水産関係予算と施策の考え方を示した。政府が予定する2027年度からの水田政策の見直しでは、飼料用米は「現在のような高額な支援を一律に講じる必要性に乏しい」と指摘。現在の水田活用の直接支払交付金(水活)の枠組みから除外して畜産政策の中で検討すべきだとした。また、政府備蓄米の運営では国費負担の削減や機動的な対応の観点から民間在庫の活用も含めて検討を求めた。主食用米の増産を図った25年産では、飼料用米などからの転換が進み、戦略作物の生産が減少した。政府には、食料の安定供給を支える水田維持を前提とした制度設計と必要な予算の確保が求められる。

(2面・総合)

今こそ農業版BCP策定 損害抑え早期復旧に寄与(3面・農業保険)【2025年11月3週号】

 2025年も8~9月に台風や大雨など自然災害が頻発し、九州や北陸を中心に農業分野にも甚大な被害が発生した。高まるリスクに対応するには、農業保険への加入とともに、農業版BCP(事業継続計画書)策定が有効だ。農林水産省はホームページ(HP)にチェックリストと農業版BCPのフォーマットを公開し、積極的な活用を呼びかける。被災時の損害を最小限にとどめ、早期復旧を図るため、農閑期のこの時期に策定し、備えておきたい。農業版BCP策定方法やメリットなどを改めて紹介する。

(3面・農業保険)

オリーブ畑から新たな夢を 島とオイルの魅力を発信(5面・すまいる)【2025年11月3週号】

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 香川県土庄町で、小豆島三代松家オリーブ商会を営む中岡満代さんは、義父母が残したオリーブに魅了され、栽培から加工・販売に挑戦する。自宅がある埼玉県と実母が1人で暮らす山口県、香川県の3拠点生活をしながら、都市部を中心に島や加工品のPR活動に取り組むとともに、SNS(交流サイト)でオイルを使用した料理や島の日常風景などの発信にも力を注ぐ。先祖が大切にしてきた園地を守りながら、自身を受け入れてくれる島民や家族、友人などの力を借りて新たな夢を描き始めている。

(5面・すまいる)

〈写真:「実は翡翠(ひすい)みたいで美しい」とほほ笑む中岡満代さん〉

冬春トマトで成果 果梗捻枝で裂果抑制(7面・営農技術・資材)【2025年11月3週号】

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 愛知県東三河農業研究所は、冬春トマトの裂果対策として、「果梗捻枝〈かこうねんし〉」が有効だと確認した。果実肥大完了後で着色する前に果房の付け根部分を押しつぶして水分流入を抑える方法。「桃太郎ホープ」での試験では、多発時期である9~10月の裂果発生率を慣行比で半減程度に抑え、10アール当たり40万円超の収益向上につながると試算する。特別な機材は必要なく、市販のペンチで実施できるのも利点だ。品種など適用条件は検証中で、端境期で高単価となる9~10月出荷の生産安定へ技術確立を図る。

(7面・営農技術・資材)

〈写真:ペンチを手に果梗捻枝の作業を説明する藤井技師

トマト 農薬使わず有機肥料施用/ジュースも人気【石川県・11月3週号】

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 【石川支局】「うちのトマトは大玉でも糖度が高く、味が濃い。実も硬くしっかりしているので、出荷先からの評判が良い」と話すのは、金沢市竹又町にある菊理農園の安田健悟さん(49)。妻の順子さん(52)と共にハウス16アールで大玉と中玉のトマトを主力に栽培する。殺菌剤や殺虫剤などの農薬を使用せず、有機肥料だけで栽培し、直販や地元のスーパー、直売所で販売。さらに、規格外品を使った無添加のトマトジュースを販売し、毎年完売する人気商品となっている。

〈写真:トマトの手入れをする安田さん夫妻〉

サツマイモ 干し芋の切れ端で甘酒加工/食品ロス削減【埼玉県・11月3週号】

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 【埼玉支局】熊谷市の大島勝弥さん(72)は、青パパイア20アールを栽培している。2021年に水田の一部を畑地化して導入し、今年で5作目。栽培技術の向上を図る一方、消費拡大を目指し、販売方法の工夫などに力を入れる。「栽培管理が比較的容易で、需要の伸び代がある。可能性にあふれた食材として、さらに栽培の普及を進めたい」と話す。

〈写真:青パパイアを収穫する大島さん〉

柿 高糖度狙って焼酎で渋抜き/先人の思い受け継ぐ【山形県・11月3週号】

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 【山形支局】鶴岡市羽黒町の齋藤明美さん(65)は、自身が代表を務める「にこにこふぁーむ」で「庄内柿」の生産を手がけている。東京都で生まれ育った明美さんは、夫の聡さん(65)の実家で栽培された庄内柿を初めて食べたときの衝撃が忘れられず、義父母から柿畑を受け継ぐことを決意。先人たちが積み上げてきた「地域の宝」を次世代へ残そうと取り組んでいる。

〈写真:柿畑で明美さん㊧と聡さん〉

ブロッコリー 茎を漬物に活用【岩手県・11月3週号】

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 【岩手支局】ブロッコリー(3ヘクタール)など約15種類の野菜を栽培する宮古市刈屋の久保田智治さん(31)。出荷の際に廃棄となるブロッコリーの茎を使った漬物の製造・販売に取り組む。

〈写真:ブロッコリーの生育を確認する久保田さん〉

防風林「地域の文化拠点をのぞいてみよう【2025年11月3週号】」

 ▼全国の市町村の4分の1以上が「無書店自治体」になっているそうだ。今国会の審議で取り上げられ、高市早苗首相は「書店は地域住民が多様な作品に触れる重要な文化拠点」と強調。活性化を図る考えを示した。
 ▼国内書店数は10年で3割減少し、1万店割れが目前となっている。利益率の低さやネット通販の台頭などもあるが、大きな要因の一つは読書人口の減少だろう。
 ▼政府の世論調査では月に1冊も読まない人が6割を超えた。ベネッセコーポレーションと東京大学が昨年実施した共同調査によると、1日の読書が「0分」の子どもは5割に上り、10年前に比べて約1.5倍に増加。代わってスマホの使用時間が延びているという。
 ▼読書は知識や情報の獲得につながる。想像力や対話力、文章力などを高め、ストレス軽減にも貢献する。さらに文字情報を丁寧に理解・分析することで忍耐力も養われるとか。たまにはデジタル画面ではなく、地域の文化拠点をのぞいてみよう。きっと、人生を豊かにする出合いや発見が待っている。

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