今週のヘッドライン: 2025年12月 2週号
農林水産省は11月28日、2025年農林業センサス結果の概要(2月1日現在、概数値)を公表した。農業経営体は5年前(20年)と比べ24万7000(23.0%)減の82万8000経営体となり、100万経営体を割り込んだ。特に個人経営体が大幅に減少し、基幹的農業従事者数は34万2000人(25.1%)減の102万1000人となった。平均年齢は67.6歳で、比較可能な1995年以降で初めて下がったものの、依然高い水準にある。一方、法人経営体が増え、20ヘクタール以上の農業経営体の面積シェアが初めて5割を超えるなど法人化・規模拡大の進展もみられた。
農林水産省は11月27日、食料・農業・農村政策審議会畜産部会を開き、12月中旬をめどとする2026年度の畜産物価格の決定に向けた議論をスタートした。生産費が高止まりする中で生乳需給の緩和や牛肉価格の低迷などに直面する生産者側の委員から厳しい経営の現状や、労働力不足による自給飼料生産の難しさなどを訴える声が上がった。畜産・酪農の危機的な状況から脱却できる単価水準の確保とともに、営農意欲を喚起し、展望が開ける対策の構築・実施が求められる。
自民党は4日、食料安全保障強化本部と農林関係の合同会議を開き、2026年度の農林関係予算編成大綱をまとめた。「農業の構造転換・水田政策の見直しや森林資源の循環利用等を通じた農林業の成長産業化」と題し、農林業者が意欲を持てる環境整備へ、農地の大区画化やスマート農業技術の開発など構造転換と生産性向上を推進する。需要に応じた生産・販売を行う農業者の所得向上を通じて食料安全保障の強化を図るとし「予算を十分に増額する必要がある」と強調した。
ブドウは特色ある品種が多く、産直EC(電子商取引)を通じて消費者への魅力発信や販路拡大が図られている。産直ECサイト「食べチョク」(運営:ビビッドガーデン)は今年、全国のブドウを対象に、食味審査を含む品評会を初開催した。マーケティング企画部の大嶋恵里農産物プロデューサーに、受賞事例から注目品種をはじめ、新たなトレンドを解説してもらう。
JA全農は11月21日、全農酪農経営体験発表会を開いた。未来を創る「酪農のなかま」をテーマに、地域で活躍する酪農家が優良事例を発表した。このうち、牛ふん堆肥を用いた持続可能な循環型酪農を実践する「うしの恵 眞嶋農園」(高知県)の眞嶋順一さんと、「株式会社松浦牧場」(宮崎県)の松浦千博さん・ちひろさん夫妻の取り組み要旨を紹介する。
全国の研究機関や企業がスマート農業技術など最新の成果を紹介する「アグリビジネス創出フェア2025」が11月26~28日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれた。大学や公設試験場、企業から、果樹や野菜など栽培支援の最新成果が展示された。

【埼玉支局】美里町円良田〈つぶらた〉の「美里EGOMAファーム」は、遊休農地を活用したエゴマ栽培と、エゴマ油の製造に取り組む。60代以上の農業者9人で構成され、2025年は1.5ヘクタールで栽培し、収量は300キロだった。エゴマ栽培導入後、食害や圃場への侵入といった大きな被害はほとんど確認されていないという。同ファームの田島國利代表(72)は「遊休農地の有効活用とエゴマ産地としての発展を両立し、地域活性化に貢献していきたい」と話す。同ファームの田島國利代表(72)は「遊休農地の有効活用とエゴマ産地としての発展を両立し、地域活性化に貢献していきたい」と話す。
〈写真:圧搾機の前で田島代表〉

【岐阜支局】エダマメ3ヘクタールとダイコン1.5ヘクタール、「祝だいこん」0.6ヘクタールを作付けする岐阜市則武の加藤哲也さん(42)は、ブロッコリー「パープルリシャス」を1.3ヘクタールで栽培する。加藤さんは「2022年ごろに試験栽培を始めましたが、日本では誰も作付けていなかったため、不安が大きかったです。手探りで育て方を確立してきたので、栽培が成功した時はうれしかったです」と話す。
〈写真:今後は関東への出荷を視野に入れている加藤さん〉

【和歌山支局】みなべ町のウメ農家・﨑山晃市さん(56)は、熱帯果樹・マカダミアの栽培に農家仲間と取り組み、「ウメとマカダミアで地域が活気づけば」と意欲的だ。
〈写真:マカダミアの生育を確認する﨑山さん〉

【京都支局】「もみを原料とした薪〈まき〉と炭は、環境にやさしく、備蓄燃料にもなる」と話す南丹市「株式会社Ryo」代表取締役の西田良弘さん(47)は、水稲収穫後に発生するもみ殻を有効活用し、固形燃料の加工に取り組む。「これからは商品化を目指し、備蓄燃料として家庭にも普及させていきたい」と意気込む。
〈写真:「材料がもみ殻なので使用後はそのまま田畑に入れても良い。燃料にも土壌改良材にもなる」と西田さん〉
▼小中学校で習う常用漢字は2136字。多いか少ないかは別にして、それぞれに意味があり、その字を見て思い描く印象も人それぞれに異なる。
▼例えば、象形文字から生まれた「農」。田畑を耕す、農業、畑仕事、農民などに加え「つとめる、尽力する」との意味を持つとする辞典もある。人々が生きていくための土台を感じる。
▼「食」は食べる、食べ物、食事、扶持(ふち)のほか、日食・月食など「欠ける」との意味がある。食べ物を器に盛り、蓋(ふた)をしたさまを表す象形文字が起源だが、「人」と「良」の組み合わせを見ると、家族や友人、知人との楽しいひとときにしたくなるし、大切な人に良いものを振る舞いたくもなる。
▼昨夏からの国民の関心事「米」は稲の実のほか、アメリカの意(略称)。トランプ政権の再登場で、食べられない米の動向は世界中の注目の的に。
▼さて、30周年を迎える「今年の漢字」が今月12日に京都市・清水寺で発表される。物価や株価、憲政史上初の女性首相の名から「高」を予想する声も。蛇の象徴である再生・変革の巳年もいよいよ暮れていく。