今週のヘッドライン: 2025年12月 3週号

2025年も、世界は気候変動による自然災害が頻発・激甚化し、紛争多発など国際情勢は不安定化が進行した。国内では長引く物価高が家計を圧迫。生産コストも高騰・高止まりする中、農業を取り巻く環境は厳しさを増している。政府は新たな食料・農業・農村基本計画を策定し、食料安全保障の確保に向け、初動5年間で農業の構造転換を集中的に推し進める方針を打ち出した。また〝令和の米騒動〟を受け、米の需給動向は国民の大きな関心事となり、検討が進む27年度からの水田政策の見直しに当たっては、持続可能な米作りが見通せる施策の構築が求められている。この一年の農業・農政をめぐる情勢を話し合った。
農林水産省は5日、食料・農業・農村政策審議会食料産業部会を開き、来年4月に全面施行となる食料システム法の基本方針案などを示した。農畜産物のコストを踏まえた合理的な価格形成に向け、費用などを考慮した取引条件の誠実な協議などの努力義務を規定。取り組みが不十分な場合は、国が指導、勧告などを行う。米、野菜、飲用牛乳、豆腐、納豆の5品目の指定を予定し、品目ごとのコスト指標作成団体を認定。生産から小売りまで各段階のコスト指標を作成・公表する。努力義務の判断基準となる行動規範や指定品目などは、省令で定めるとした。生産資材などの高止まりが続く中、持続的な生産が可能となる価格水準の実現へ実効性ある仕組みの構築が求められる。
環境省は5日、2025年4~11月までのクマによる人的被害は230人(209件、速報値)に上ったと発表した。06年度以降の最多だった23年度(219人)を上回った。死者は過去最悪の13人に上っている。
収入保険の2026年1月加入の申請期限が迫る中、各地のNOSAIでは農業者個々の経営に応じた丁寧な説明を徹底し加入推進に努めている。収入保険は自然災害による減収や農産物価格の下落だけでなく、けが・病気など経営努力では避けられない収入減少を広く補償する。制度開始以降、加入農業者の営農・生活を支えており、加入件数は今年6月時点で10万経営体を超えた。これまでの実績や基本的な仕組みなどを改めて紹介する。
40~60代に多くみられる「四十肩・五十肩」。腕を動かそうとすると肩に痛みが走り、日常生活に支障がでることもある。生活総合情報サイト「All About(オールアバウト)」で「肩こり・腰痛ガイド」として活動するカイロプラクティック理学士の檜垣暁子さんに特徴的な症状と対処法を聞いた。
中央畜産会はこのほど、東京都内で2025年度「全国優良畜産経営管理技術発表会」を開催した。全国の推薦事例から選出された8事例を審査し、最優秀賞の農林水産大臣賞4点、優秀賞4点を決定した。大臣賞受賞者から、肉用牛経営と酪農の3事例を紹介する。
▼「鶏が先か、卵が先か」とは、因果関係を明確に説明できない時などによく用いられる言葉だ。例えば、政治や制度が変わったから社会が変わったのか、社会が変わったから政治や制度が変わったのか、といった具合。
▼農業・農村の世界でもそう感じることは少なくない。人手不足だから効率化・合理化を急ぐべきだと考えるのか、効率化・合理化の追求で過疎化が一層進むと捉えるか、など。自信があるから挑戦するのか、挑戦するから自信が生まれるのか。希望があるから人が集まってくるのか、人を集めるから希望や展望が開けてくるのか、も当てはまる。
▼2025年農林業センサスによると、基幹的農業従事者数は10年で4割減少し約102万人となる一方、法人経営体が増え、20ヘクタール以上の経営体の面積シェアは5割を超えた。単に数字だけ見れば「農家の減少が法人化や規模拡大を推進した」となるが、このまま規模拡大・離農増加が進んだ先にどんな未来が待ち受けるのか。
▼何かと白黒つけたがる時代だが、答えは一つではない。むしろ複雑に絡み合う因果関係をどう好循環につなげていくかが、より大切になっている。「楽しいから笑うのではない、笑うから楽しいのだ」は米国の哲学者、ウィリアム・ジェームズの言葉。笑顔から始まる午(うま)年へ。よいお年をお迎えください。