今週のヘッドライン: 2026年02月 2週号
農林水産省は1月30日、2025年12月末現在の主食用米の民間在庫量が338万トンとなったと発表した。前年同月を85万トン上回り、年間需要量に占める割合(在庫率)は過去最高水準となった。政府備蓄米の放出と増産による供給量の増加に加え、高米価などを背景にした販売の停滞などが要因。約9万7000トンに急増した米の民間輸入の影響を指摘する声もあり、米価の下落懸念が強まっている。26年産米の作付け準備が本格化する中、米の需給と価格の安定に向け、政府には、備蓄米の買い戻しの判断など適切な対応が求められる。
農林水産省は3日、2025年の農林水産物・食品の輸出額が前年比12.8%増の1兆7005億円と発表した。主要輸出先国・地域の全てで前年を上回った。13年連続の増加で、過去最高を更新した。一方で、25年に2兆円とする政府目標には届かなかった。鈴木憲和農相は閣議後会見で、特定の国・地域に依存した輸出体制や供給力不足など未達理由を挙げ、30年に5兆円に引き上げる達成目標に向けて、輸出先国・地域の多角化や現地系商流への売り込みなど取り組みの加速化を図るとした。
Jミルクは1月30日、2026年度の生乳と牛乳・乳製品の需給見通しを発表。全国の生乳生産量は前年度比1.8%減の725万8千トンと、3年ぶりの減産とした。2歳以下の乳用雌牛の導入減少を受け都府県は5年連続、北海道は3年ぶりの減産を見込んだ。
一口サイズで手軽に食べられるミニトマトは、サラダや和洋食をはじめ、弁当など用途が幅広く、食卓に彩りを加える人気の野菜の一つ。本紙4週号営農技術・資材面で「注目の種苗」を執筆する株式会社ヒューマンコミュニケーションズ代表取締役の阿比留みど里さんに、直売所などでより個性を発揮できる注目の品種を挙げてもらった。

横浜市はこのほど、農福連携に取り組む生産者・福祉事業所の実践事例を紹介する農福連携セミナーを開いた。神奈川県平塚市で農福連携を進めながら野菜の生産・出荷に取り組む「Farm330」の笹尾美香さんと、同市の就労継続支援B型事業所「キルクももはま」の管理者・椎野淳子さんの講演要旨を紹介する。
農研機構は1月28日、イチゴの大規模・安定生産技術の開発をテーマにした公開シンポジウムを東京都内で開いた。研究発表の中から、冬春イチゴの光合成を最大化させて増収につなげる最新の環境制御技術2成果を紹介する。

【北海道支局】石狩市高岡地区で2021年に新規就農し、6年目を迎えた「石狩みのりファーム」代表の佐々木洋実さん(41)。ビニールハウス6棟から営農をスタートし、現在は約1.5ヘクタールの圃場に14棟を建ててミニトマトやブロッコリー、スイートコーンを栽培している。規格外のミニトマトを使用したカクテルがコンクールで最高賞を受賞。また、ジェラートも開発し、コンクールで受賞するなど評判となっている。
〈写真:「加工品を増やしたい」と佐々木さん〉

【福井支局】時流を捉え、労働集約型農業からの脱却を目指し、2012年、農業進出の地に北海道を選びました。人口減少が進む中「人手に頼り切るのではなく、仕組みと基盤で成り立つ農業をつくる」との考えが出発点でした。
栽培する作物はソバ。播種から収穫までが約90日と短く、国産ソバは需要も高いです。現在は190ヘクタールの農地を3人で管理し、低コスト経営を軸に、基盤づくりを重視した農業を実践しています。
〈写真:ドイツ製のトラクターの前で片岡さん〉

【群馬支局】板倉町大荷場〈おおにんば〉の農事組合法人大荷場麦作組合は、2023年に水稲と麦、発酵粗飼料(WCS)用稲の栽培に小型無人機(ドローン)を導入。水稲乾田直播や追肥、カメムシの防除などを行い、効率化と省力化で経営安定に努める。石山清美代表理事は「ドローンで効率化を図り労力を抑えた分、従業員の休暇に充てたい」と話す。
今後は担い手の受け皿となり、育成の場をつくりたいとしている。
〈写真:ドローンをメンテナンスする従業員。凍結による故障に注意を払って保管する〉

【広島支局】三原市深町の橋目智子さん(44)は、「原材料から作る」をコンセプトに「お菓子工房ゴドー」を営む。農薬や化学肥料を使わずに自分で育てた米や小麦などを使用して、安心して食べられる洋菓子などを製造、販売する。
〈写真:「ひよこから愛情を込めて育てる鶏は、お菓子を買いに来る子どもたちに人気」と橋目さん〉
▼夏の暑さだけでなく、冬の雪までも風物詩から命や暮らしを脅かす存在へと変わってしまうのか。「災害級の猛暑」の次に襲来した「災害級の大雪」を前に、そんな不安がよぎる。
▼日本海側を中心に記録的な大雪に見舞われている。連日の除雪作業など住民の負担は増し、事故も多発。すでに30人超が亡くなっており、行政の対応強化は急務だ。また、気象の専門家などは、温暖化に伴う大気中の水蒸気量の増加で今後も極端な降雪は頻発すると予測する。地域の実情に応じた中期的な雪害対策も課題となる。
▼さらに昨秋から続く太平洋側の渇水傾向の影響も心配だ。気象庁によると1月の降水量は九州で平年の2割を下回り、東海は9%、四国は5%、近畿の太平洋側は1%となるなど「災害級の少雨」との指摘も出始めた。火の取り扱いや農作物の管理などに十分注意したい。
▼極端な気象の要因が気候変動の影響とは限らない。だが「災害級」の頻発化は明白だ。農業は天候の影響を大きく受ける。まもなく本格的な農繁期。農業保険への加入を基本に今年も"備え"ぬかりなく。