今週のヘッドライン: 2026年03月 2週号
農研機構は乾田直播を核とする超省力多収水田輪作体系と広域化する圃場の管理手法の現地実証研究成果報告会を開催した。東日本大震災から15年、農業の担い手が著しく減少する中で、津波・原発事故被災地の営農再開によって、経営規模が急速に拡大する水田作の担い手経営を支える技術の確立を課題としてきた。乾田直播水稲の栽培技術と大規模圃場管理技術について5年間の研究成果を紹介する。
農林水産省は3日、多面的機能支払交付金第三者委員会を開き、2024年度同交付金の活動状況や分析結果などを示した。活動面積は広がりが見られた一方、組織数は減少しており、活動断念理由は「高齢化や農業者の減少など」が半数を占める。さらに3割超の組織で参加者数が減少しており、今後活動が負担となるとの懸念も出ている。農地や水路などの維持管理は農業の持続的な発展の要であり、景観維持や生活環境保全など農村の振興にも欠かせない。新たな食料・農業・農村基本計画では同交付金の活動組織の体制を強化する旨を明記した。非農家や企業・団体などとのマッチング強化をはじめ地域の活動を支える環境づくりへ支援の抜本強化が求められる。
店の従業員に対する暴言など「カスタマーハラスメント」(以下、カスハラ)が社会問題化する中、農林水産省は2月27日、飲食店における対策ガイドラインを公表した。該当するかの判断基準をはじめ、クレーム対応のポイントや具体的な対応方法などをまとめたもの。

3月10日の「農山漁村女性の日」を前に、東京都内で「2025年度農山漁村女性活躍表彰式」(主催・農山漁村男女共同参画推進協議会)が行われた。農林水産大臣賞6部門のうち「女性優良ビジネス部門」は大阪府富田林市の乾裕佳さんが、「女性新規事業・チャレンジ部門」は神奈川県山北町の花坂薫さんが受賞した。活動概要を紹介する。
今年も春の全国交通安全運動が始まる。交通ルールの順守や正しいマナーの実践などにより交通事故防止につなげるのが狙い。政府は新学期に向け、通学路・生活道路における子どもなどの歩行者の確保を呼びかけるとともに「ながらスマホ」の根絶などを図る。特に警察庁によると、2024年までの5年間に発生した歩行中の小学生の死者・重傷者は1875人に上る。子どもをはじめとした歩行者の安全確保へ思いやりの気持ちを持った行動を強く呼びかける。政府公表資料から運動の要旨や最近の交通事故の状況をまとめた。

水田34.4ヘクタールで経営する富山県黒部市宇奈月町の農事組合法人ひばり野ファームは、2.5ヘクタール栽培するソバ「とよむすめ」の10アール当たり収量が160キロほどと、市平均(55キロ)を大きく上回る。排水対策の徹底による出芽・苗立ちの安定がポイントだ。さらに、大豆などとの機械の汎用〈はんよう〉化で設備投資を抑えつつ、作付け時期の作業を1日に集約。施肥・耕起・播種・覆土・溝掘りなど一連の作業を分担し、10アール当たり総労働時間は1.6時間に抑えている。

【和歌山支局】タカ(ハリスホーク)を活用した新たな鳥害対策に取り組んでいるのは、有田市で温州ミカン5ヘクタール、かんきつ類1ヘクタールを栽培する竹内算浩さん(39)。果樹園地で発生する鳥害の防止に役立てようと鷹匠を目指し、2025年から訓練に励んでいる。
〈写真:果樹園を経営する傍ら、タカと訓練に励む竹内さん〉

【広島支局】広島市佐伯区湯来町の高野正明さん(87)は、妻の鈴子さん(82)と畑ワサビ2.6アールを栽培、加工して販売する。
2001年に静岡県から株を取り寄せて栽培を始めた。地域で5戸あった生産農家は、高齢化や生育不良により、高野さんだけになった。
〈写真:ハウスで高野さん夫妻〉
▼上空をミサイルが飛び交い、爆発や炎、煙に包まれる建物。米・イスラエルによるイランへの攻撃は報復の応酬へと拡大した。民間人の犠牲が増えれば増えるほど、憎しみは膨らみ、より深く刻まれる。一刻も早く戦火を止めなければならない。
▼一方で、戦地の実態が正確につかめない状況も大きな問題だ。双方が自らに都合のよい情報・主張を展開、SNS(交流サイト)などで瞬く間に世界中に拡散される動画などは真偽不明なものが少なくない。誰もが自由に発信できる時代だからこそ、その情報は憎悪や対立をかき立てる"武器"と化す恐れがある。冷静な視点も重要となる。
▼4年前に始まったロシアのウクライナ侵攻は世界の食糧生産基地に深刻な打撃を与え、穀物の国際相場の高騰を引き起こした。中東の緊迫化は原油をはじめエネルギーの国際価格高騰や供給不安につながる懸念があり、世界経済の不安定化はさらに強まるとの指摘が出ている。
▼「力」が「法」を凌駕(りょうが)する流れに歯止めをかけるためには、国際社会における粘り強い対話・協力が必要だ。同時に国際情勢が激変し、同盟国への信頼すら大きく揺らぐような状況の中、国民の命に直結する食料の大半を輸入に依存する国の危うさを改めて強く認識させられる。「農は国の基(もとい)」だ。次世代も安心して暮らせる国づくりへ国内食料生産基盤の強化を急げ。

【石川支局】加賀市河原町で水稲15ヘクタール、大麦4ヘクタール、秋取りブロッコリー2ヘクタールを栽培する北出達也さん(35)は、専業農家となって4年目。規模拡大を進めながら、機械導入や作付けのローテーションで省力化や効率化に取り組んでいる。別経営する兄の浩基さん(43)と共に、互いの作業を助け合い、同市の水田農業を若い力で支えている。
〈写真:収穫の喜びを語る達也さん(左)と浩基さん。互いの作業の進み具合を確認し農繁期は協力し合う〉