今週のヘッドライン: 2026年04月 2週号
農林水産省は3月27日、2025年の地球温暖化影響調査レポート(速報)を公表した。水稲は出穂期以降の高温による「白未熟粒」の影響は全国の作付面積の3~4割に上った。果樹ではリンゴの「着色不良」と「凍霜害」が東日本の6~7割の地域で確認。温州ミカンの「着色不良・着色遅延」も西日本で5~6割で発生した。野菜はトマトの「着花・着果不良」が西日本で5~6割に上るなど深刻な影響が明らかになった。気象庁によると今年も夏に向け全国的に平均気温は平年を上回って推移する見通しだ。高温耐性品種の導入など官民連携で安定生産に努めていくことが重要となる。
食料システム法が1日施行した。合理的な費用を考慮した価格形成を売り手・買い手双方の努力義務とし、国は不適切な対応には指導・助言などを講じる。「コスト指標」に基づく価格交渉も始まる。

宮城県栗原市で「ひとめぼれ」など水稲5品種を53ヘクタールで生産する株式会社黒澤農産取締役の黒澤亜希さん(36)が、オリジナルブランド"あきちゃんのお米"の販路開拓に奮闘中だ。消費者に「自分好みの味を見つけてほしい」との思いから栽培品種の特徴やおいしく炊くポイントなどをSNS(交流サイト)で発信するとともに、日々の農作業や地域の風景も積極的に伝える。さらに自らの思いをデザインした米袋を用意。20キロの注文には使いやすいよう5キロ袋に小分けにするなど消費者一人一人のニーズにできる限り対応し、固定客を増やしている。
小葉松真里さんはフリーランス農家として、全国各地を巡って農繁期の農作業に従事。イベントの企画などにも携わっている。季節ごとに各地で働く立場から、経営の工夫などを連載してもらう。
春は寒暖差が大きい上、気象庁によると今年の4~6月は全国的に平均気温は平年を上回って推移する見通しだ。健康で元気に農作業に当たるためにも、良質な睡眠を確保し、体調管理に気を配りたい。快適に眠り、目覚めの良い朝を向かえるための方法を睡眠改善インストラクターの鍛治恵さんに紹介してもらう。

熊本市で水稲・大豆・小麦など大規模経営を展開する農事組合法人熊本すぎかみ農場は、大豆121ヘクタールのうち作業委託を除く64ヘクタールに「ディスク式高速一工程播種」を導入し、作付け作業を効率化。浅耕のため従来の平畝播種よりも速く、播種の作業日数を半分ほどの約2週間に短縮して収量は同等程度の確保が可能だ。永廣徹朗部長(48)は「作業が前倒しになり、出荷先が求める適期の範囲で播種できるようになった」と話す。さらに、事前耕起の回数も減らせるため、時期が重なる麦収穫や水稲の作付け準備に人員を充てられるようになった。

【山形支局】南陽市宮崎で花き栽培を営む「須貝園芸」(代表・須貝秀作さん=53歳)では、種を使わずに、親株の一部から新しい株を増やす栄養繁殖栽培を取り入れ、生産量の少ない品種を中心とした花作りで差別化を図っている。現在はハウス11棟(1200坪)で、ラベンダーやミヤコワスレ、ユーフォルビアなど、鉢物を中心に約10種類の花きを栽培する。
〈写真:出荷を前に、花の状態を確認しながら準備を進める須貝さん〉

【新潟支局】水稲をメインに、サトイモや露地野菜などを合計約63ヘクタールで栽培している、五泉市木越の「有限会社ファームみなみの郷(阿部良夫代表取締役社長、73歳)」は、圃場管理や勤怠管理にIT技術を取り入れて業務効率化を図る一方、介護休暇や育児休暇などの特別休暇制度を導入するなど「働きやすい」職場づくりに注力。就業環境の整備への積極的な取り組みが評価され、2025年度の「新潟県優良農業経営体等表彰・働き方改革の部 新潟県知事賞」と「全国優良経営体表彰・働き方改革部門 全国担い手育成総合支援協議会会長賞」を受賞した。
〈写真:左から経理の五十嵐友美さん、阿部代表、江部優貴営業部部長〉

【和歌山支局】「気候や人柄が温かい白浜で牛を飼いたいと思い移住してきた」と話すのは、白浜町の尾上愛梨さん(23)。酪農の夢を歩き始めている。繁殖農家・長谷川寛さんのもとで約6カ月間、出荷作業や牛の世話を手伝いながら経験を積み、2025年4月、北海道からジャージー牛の子牛2頭を導入し、長谷川さんの農場の一部を借りて牛の飼育を始め、酪農の夢を歩き始めている。
〈写真:ジャージー牛を導入した尾上さん〉

【宮城支局】東松島市矢本の株式会社パスカファーム立沼(代表取締役=佐藤正さん・63歳)は、水稲や大豆、トマトなどを栽培するほか、法人設立当初からアスパラガス3ヘクタールを栽培。アスパラガスは疲労回復を助ける栄養価の高い野菜で、長さを切りそろえる際に出る茎は、硬くて食べられないが捨てるのはもったいないと、茎を「アスパラ茶」に加工し、ティーバッグで販売している。
〈写真:「ぜひ試してほしい」と佐藤さん〉
▼カレーライスにギョーザ、揚げパンに冷凍ミカン――。子ども時代、給食は学校生活を彩る重要なイベントだった。同じメニューを食べながら級友たちと楽しく過ごした時間は、今も大切な思い出として心に残る。
▼全国全ての公立小学校の給食費を実質無償化する制度が始まった。政府の子育て支援の一環で、児童1人当たり月額5200円を支援する。子育て世代からは経済的な負担軽減につながると好評で、集金や未納催促など学校側の労務削減効果も大きいとされる。
▼一方で、心配なのが給食の中身だ。支援額は2023年の平均給食費に物価動向を加味したものだが、1食当たり単価は300円程度。さらに中東情勢の悪化に伴う物価急騰も懸念されている。
▼学校給食は児童の健康増進に寄与することはもとより、食や農の重要性を幅広く学ぶ「生きた教材」でもある。地元農家の努力などにより地場産食材や郷土料理を取り入れている例も少なくない。給食費の無償化は単なる負担軽減策ではなく、次世代の笑顔を増やし、地域農業を元気にする施策にする必要がある。