今週のヘッドライン: 2026年05月 1週号

「農業保険に加入していたおかげで営農が続けられている」と、静岡県牧之原市で施設イチゴを栽培する「おかげさまです杉山農園」の杉山泰行さん(42)。2025年9月の竜巻災害で、経営するハウス40アールのうち30アールが全壊。園芸施設共済の共済金などを受け取り、復旧とともに災害に強いハウスづくりを進める。復旧を支えてきた人たちのためにも、今年秋からの本格的な作付け再開へ前を向く。
営農型太陽光発電の適正導入が課題となる中、農林水産省は、新たに農山漁村再生エネルギー法に基づく認定を要件化する方針だ。農地法に基づく農地一時転用許可に加え、地域共生などの観点を制度に組み込み適切な導入につなげるのが狙い。地域農業の発展を大前提にエネルギーや新たな収入源の確保など地域の活性化などにつながる実行性ある仕組みの整備が求められる。
農林水産省は4月30日、2026年3月末現在の主食用米の民間在庫量が前年同月比97万トン増の277万トンとなったと発表した。同時期としては直近10年で最も多く、25年7月~26年6月の需要見通し(691万~704万トン)に占める割合(在庫率)は約40%で現行統計以降で最も高い水準が続く。
一昨年来、米価が上昇する一方、生産コストも上昇傾向が続く。農業簿記データから見る「米の損益分岐点」の読み方などについて、一般社
団法人農業利益創造研究所の平石武理事長に解説してもらう。
5月は本格的に気温が上昇する季節。特に気象庁によると今年も7月にかけて平均気温は全国的に高くなる見通しで、カルシウムやビタミンなどが豊富で熱中症予防にも役立つとされる牛乳を積極的に取り入れ、暑い夏を乗り切りたい。6月の「牛乳月間」を控える中、これからの季節に食べたい「乳和食」のレシピを、料理研究家の小山浩子さんに紹介してもらう。
農林水産省は2026年度予算で、「生産力強化に向けた稲作経営モデル確立支援事業」として、大規模化などに対応した水稲の直播技術の実証や、米の超低コスト生産に向けた多収品種やスマート技術の導入など革新的技術の検証を支援する。担い手の大幅な減少が見込まれる中で、農業者の所得確保と稲作農業の体質強化を目指す。15ヘクタール以上の経営体での米60キロ当たり生産コストを、23年度の1万1350円から、30年度までに約2割減の9500円とする政策目標を掲げている。

【秋田支局】秋田市河辺松渕で黒毛和種を約600頭肥育し、数々の大会で好成績を収める株式会社寿牧場。規模拡大と同時に自動給餌機を導入し、作業効率化と良質な牛の生産に努めている。
〈写真:ストレスを与えないよう注意深く観察する髙橋寿代表〉

【福井支局】坂井市三国町の有限会社サンビーフ齊藤牧場の齊藤力さん(50)は、黒毛和牛160頭を肥育する一方、県内で初めて褐毛和牛の放牧肥育に取り組んでいる。2025年12月に褐毛和牛の初出荷を果たし、肉本来の濃いうまみを感じる赤身肉として「越前福牛」と名付け、ブランド化を進めている。
〈写真:「実際に飼ってみると人懐こく、体も強いし、足腰も丈夫で病気にも強い」と齊藤さん〉

【静岡支局】抹茶やその原料となる碾茶(てんちゃ)の需要が高まる中、森光広さん(53)が代表取締役を務める富士山茶株式会社(沼津市)は、碾茶の生産に力を入れている。碾茶30トンを生産し、主に京都の問屋などに出荷する。さらに、自社で製造した抹茶は中東や欧州、フィリピンなどに輸出する。
〈写真:レンガ造りの碾茶炉について説明する森さん〉

【京都支局】「園芸施設共済に加入していることで、万が一に備えることができる安心感がある」と話すのは、京丹後市の「谷ヶ奥農事組合(組合長・楠田勝さん=61歳)」で会計を務める今西知彦さん(62)。「組合員で助け合い、代々引き継いできた農地をこれからも守っていきたい」と話す。
〈写真:苗の状態について話し合う楠田さん(右)と今西さん〉
▼大型連休最終日。とはいえ、農村は旅行や観光ではなく田植え作業の真っただ中というところが少なくない。農家の努力が国民に安全で安心なおいしいお米を届けている。
▼今年の5月6日は憲法記念日の振替休日。1947年5月3日施行の日本国憲法は、来年80歳を迎える。「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」を基本原理とする国の最高法規は、前文と11章・全103条から構成され、戦後80年の日本を形づくってきた。国際秩序が揺らぎ、改憲論も強まる中、この国に暮らすものとして、いま一度、憲法とは何かを真剣に考える時がくる。
▼日本の憲法史は、聖徳太子が604年に制定した「十七条憲法」が始まり。その第1条には「和を以(も)て貴(尊)しと為(な)す」とある。水稲など穀物を表す「禾」と、言葉を表す「口」を組み合わせた「和」は、争わず話し合い分け合うといった意味を持っており、平和や調和の大切さを説いた。そしてきょうは、1422年前に"和の精神"を記した日本初の憲法が制定された日である。