今週のヘッドライン: 2026年05月 4週号
農林水産省は20日、2026年産の水田における都道府県別作付け意向(第2回、4月末時点)を公表した。主食用米は1月末時点から2000ヘクタール増の136万3000ヘクタールとなった。平均収量(10アール当たり538キロ)で算定すると、生産量は733万トンになる見込み。さらに27年6月末の民間在庫は243万~271万トンと過去にない量となり、2年連続で需要量を大きく上回って需給緩和や価格下落が懸念される。同省は、営農計画書の提出が6月末までであり、産地や生産者の判断で作付け意向は今後変動する可能性があるとしている。
JA全農は15日、6月から10月に適用する2026肥料年度の秋肥価格を決定した。基準銘柄の高度化成(15%―15%―15%)は春肥に比べて5.0%値上げする。中東情勢の影響に伴う肥料原料の国際相場上昇や円安傾向、国内製造コストの上昇などが要因。例年は5月末に公表していたが、肥料原料価格の見通しが極めて困難な状況から交渉の早期決着により速やかな予約積み上げと計画的な製造・配送の実現を図る。

地方競馬全国協会(地全協)は、同協会の畜産振興事業により、まんがでよくわかるシリーズ仕事のひみつ編(学研)として『獣医師のひみつ』を制作し、全国の小学校・公立図書館などに約3.5万部を無料配布した。また日本獣医師会は同補助事業により中高校生向けに、産業動物獣医師の魅力、活躍する獣医師のインタビュー、獣医師になるための情報をまとめた『日本の畜産を支える獣医さんになろう』を制作。高校をはじめ関係する教育機関などに約4万部を配布した。実際の業務内容を追いながら、家畜の命や食の安全を守る仕事の大切さを伝える。

仙台市太白区秋保町で「BLUE BLUEBERRY FARM」(合同会社アオマド)を経営する山寺豪さん(54)。60アールでブルーベリーを栽培する傍ら、県内農家のイチゴなど規格外品をドライフルーツに加工する。複数の果実と茶をブレンドし、お湯を注ぐだけで楽しめるフルーツティーセットが売れ筋商品だ。砂糖や香料を添加せず、低温乾燥で果実自体の甘みや色、香りを生かした。地元イベントや百貨店などで販売し、日常用から土産用まで、親しい人に気軽に贈れる"プチギフト"需要などに応えている。

「パレットに広がる絵の具のように、野菜の色を気軽に楽しんでほしい」と話す、長野県駒ヶ根市「さっちゃん農園」代表の下島幸恵さん(42)。約30アールでズッキーニやピーマンなどを農薬を使わずに栽培するとともに、自身や近隣の農家が育てた野菜を使用したパウダー「畑のpalette(パレット)」を製造・販売する。特に子育て中の女性から「料理やお菓子、離乳食に混ぜて、彩りも楽しめる」と好評だ。
今年は果樹カメムシ類が多発傾向にあり、12日時点で、佐賀・和歌山・山口・高知・三重・長崎の6県で注意報が発令されている(発表日順)。果樹をはじめ病害虫防除技術を普及する一般社団法人プラントヘルスケア研究所(佐賀市)の田代暢哉代表理事に、5月下旬以降のかんきつ幼果期の防除のポイントを教えてもらう。

【石川支局】白山市鶴来朝日町の馬谷真弘さん(40)は雇用就農から独立し、2023年から野菜栽培に取り組む。土作りに注力し、栄養価コンテストで表彰されるなどの高品質な野菜を生産。収益確保を念頭に、経営戦略を練り、規模拡大に挑む。
〈写真:ネズミ対策が課題の実エンドウの圃場で馬谷さん。「収益を上げて家族との生活を守りたい」と話す〉

【奈良支局】「異常気象が常態化しつつあるので、園芸施設共済に加入していないと怖い」と話すのは、大和郡山市の堀川真さん(50)。2023・24年と、2年連続で台風などの強風により一部ハウスが全壊する被害を受けた。「何が起こるか分からない時代。万が一への備えがあれば、有事の際にも次につなげることができる。また、大和丸なすのブランドを守りながら、次の世代に伝えていきたい」と話す。収入保険にも加入し、収入減少にも備えている。
〈写真:大和丸なすのハウスで生育を確認する堀川さん〉

【島根支局】「子牛市場の魅力を高め、畜産を盛り上げたい」――益田市などの畜産農家の女性で構成するグループ「めんたクラブ」が活動を本格化させている。
〈写真:左から佐々木恵美さん、田原真琴さん、大場恵さん、京村萌(めぐむ)さん〉

【岩手支局】普代村鳥居地区の中村俊一さん(37)は、落ち葉を埋めてから種ショウガを植え付けして栽培する。「落ち葉を使わずに栽培したショウガよりも大きく育った」と手応えを感じている。
〈写真:「畑は山のそばにあるので、栄養がたくさんある。自然からもらった宝物」と中村さん〉
▼生物学者のレイチェル・カーソンが執筆した『沈黙の春』は、今も環境問題などを考える際の道標(みちしるべ)の一つ。農薬など化学物質の無秩序な使用による生態系への深刻な影響を指摘し、規制導入など社会変容に寄与してきた。
▼119年前のきょう、米国で生まれた彼女は、環境汚染で鳥のさえずりが聞こえなくなった春を象徴的に表現し、利便性最優先が生む静かな破壊に警鐘を鳴らした。科学の否定ではなく、むしろ正しく使うためにその影響を考慮する大切さを説いた。
▼この視点は、気候変動など現代社会の問題にも通じる。開発競争が激化する人工知能(AI)もその一つ。必要な解答を瞬時に得られる便利さなどから急速に普及する一方、誤情報の作成やサイバー攻撃への悪用などが指摘されている。仮に世界中の人々が持つ技をAIが無断で分析・取得し自動化する時代がきたら、子どもたちの希望の声は聞こえてくるだろうか。
▼沈黙の春は最終章でこう述べている。私たちが長い間旅をしてきた道はすばらしい高速道路だが、行きつく先は破滅、と。著者の誕生日に、社会を真に豊かにする科学とは何かを改めて考える。