今週のヘッドライン: 2026年07月 1週号
斑点米カメムシ類の発生が増加傾向にある。暖冬による越冬虫の増加が各地で指摘され、九州では6月15日までに鹿児島、宮崎の2県で早期水稲地域に注意報も発表された。近年は、地域によって優占種の変化や発生時期の前進がみられ、発生状況に応じた適期・適切な防除が求められている。

NOSAI協会(全国農業共済協会)は6月25日、東京都内で第154回通常総会を開き、任期満了に伴う役員改選を行った。髙橋博会長が勇退し、後任理事に前水産庁長官の森健氏が選ばれ、理事による互選で同氏が同日付で新会長に就任した。
自民党は6月23日、クマ対策の強化を求める提言をまとめた。政府に対し、都道府県ごとに設定されているクマの捕獲促進や狩猟期間の延長について隣接自治体で足並みをそろえて実施するよう自治体に促すことなどを要請。捕獲個体の運搬・処理・活用まで体制整備への支援強化や緩衝林帯の整備支援も盛り込んだ。小型無人機(ドローン)などを活用した効果的な鳥獣被害防止対策の普及・活用への支援なども求めた。2025年度のクマによる人身被害は過去最悪を更新し、26年度のクマ出没数(4月末時点)も前年を上回って推移している。農繁期を迎え、農家が安心して作業できる環境整備が急務となっている。
NOSAI協会(全国農業共済協会)は「令和8年度の推進に係る優良事例に対する経営局関係業務功績者等表彰」(経営局長表彰)と「令和8年度『未来へつなぐ』サポート運動表彰」の受賞者・組織などを公表。NOSAI全国連(全国農業共済組合連合会)が決定した「令和8年度農業経営収入保険事業表彰」受賞者と併せて紹介する。

福島県いわき市の"漬物名人"赤塚雅子さん(86)。自家産野菜などを使って丹念に仕込んだ逸品は市内の道の駅へ出荷する。消費者との交流を大切にした対面販売では早朝から準備を始め、県外から訪れる人もいるなど好評でファンをつかんでいる。15年前の東日本大震災・原発事故で経営の柱だった原木シイタケ栽培を断念せざるを得なくなる中、自身が大切にしていた漬物づくりを"生きがい"に歩みを進めてきた。「これからも目いっぱい、極めたい」と赤塚さん。今日も加工場へ向かう。
今夏も梅雨明け以降の猛暑が予測される中、暑さによる乳牛への影響が懸念される。特に北里大学獣医学部動物資源科学科の鍋西久准教授は日中の最高気温だけでなく、夜間から早朝にかけての温度・湿度も牛体に影響するとし、夜間の対策の重要性を強調する。生産安定に向けた管理の基本を教えてもらう。

【山形支局】上山市皆沢の「株式会社うばふところ」では、カンボジアから技能実習生2人を受け入れ、農作業の担い手として育成に力を入れている。春のアスパラガスに始まり、サクランボ、スイカ、「ラ・フランス」などの西洋ナシ、水稲、セリと、多品目を組み合わせた経営を展開。年間を通じて仕事を確保することで、安定した雇用体制づくりを進めている。
〈写真:サクランボ園地で代表取締役の佐藤和愛(かずなる)さん。外国人材と共に歩む農業経営を見据える〉

【群馬支局】県職員を定年退職後、64歳で就農した高崎市の田村一郎さん(78)。妻の和子さんと、タマネギ12アール、オクラ5.6アール、ネギ12アールを作付けし、主にJAはぐくみへ出荷する。2023年7月に発生した降ひょうで住宅の雨どいに穴が開き、換気扇フードも損傷する被害を受けた。田村さんは「自然災害も対象となり、より手厚い補償を受けられる建物総合共済に加入していて本当に良かった。補償があったからこそ、家計の負担を最小限に抑え、安心して農業に取り組むことができた」と話す。
〈写真:3年前のひょう害について話す田村さん〉

【大分支局】「直売所での会話がなにより楽しみです」と笑顔で話す佐伯市宇目の小平俊次さん(73)。クリ、シイタケ、水稲などを栽培し、宇目農林産物直売所の開設当初から約30年にわたり出荷しているベテラン生産者だ。
〈写真:クリの木を手に笑顔の小平さん〉

「納得のいく米作りにたどり着いた」と話すのは、越前市粟田部町の永木農産の永木良和代表(63)。キャベツの残さと規格外を肥料にした水稲「コシヒカリ」の栽培に取り組み、2023年から「キャベコシ」と名付けて販売している。
〈写真:「今年もおいしいキャベコシを作りたい」と意気込む永木代表。今年は0.5ヘクタールで栽培する〉
▼おにぎりの代表的なお供の一つ"海苔"〈のり〉。手にご飯がくっつきにくく、かぶりついた時に広がる磯の香りは米のうまさをより引き立てる。ただ、国産1枚の価格がおにぎりに使う米よりも高くなる時代がくるかもしれない。
▼総務省の統計によると焼き(干し)海苔の平均価格は数年前の2倍前後に高騰。すでにコンビニなどでは海苔を別包装にした商品の減少・値上げが相次いでいる。要因は一大産地の九州・有明海で続く記録的な不作による国産の減少だ。ピーク時には年100億枚を超えていた生産量は、直近5年平均で60億枚程度に落ち込んでいる。不作の要因には温暖化に伴う海水温の上昇に加え、冬場の干ばつ傾向による河川からの栄養不足などが指摘されている。
▼日本の海苔の歴史は古く、約1300年前から朝廷への貢納品として珍重され、奈良・平安時代には貴族の食卓にも登場。江戸時代に入ると養殖が始まり、庶民に普及した。おにぎりはもとより、海苔巻きやのり弁、佃煮〈つくだに〉など日本人の食に不可欠な食材となっている。
▼国産海苔の養殖施設は規模拡大や機械化が進み、効率的な生産体制が整えられているそうだ。とはいえ、農業同様に自然環境の影響を受けやすく、強まる気候変動の逆風に立ち向かうのは容易ではない。せめて、日本人として、国産米で炊いたご飯を握り、国産海苔を巻いて口いっぱいにほおばる。その価値の大きさに思いをはせたい。