今週のヘッドライン: 2026年07月 3週号
改正食糧法が8日、参院本会議で可決、成立した。需要減少を前提にした生産調整方針に関する規定を廃止し、国内外の需要拡大や生産性向上の促進を国の責務と規定。生産者が「需要に応じた生産」に主体的に努力することを明記した。需給と価格の安定を図り、持続可能な米生産を促進する。多様化する流通実態を把握するため、対象事業者を拡大して報告を義務化するなど対応を強化する。民間備蓄の新設など備蓄制度も見直す。施行は公布の日から1年以内とし、民間備蓄制度は2028年度からの本格運用を目指す。
農林水産省は2日、雪害に強い果樹産地づくり検討会を開き、中間取りまとめを行った。リンゴは労働生産性が高く、雪害にも比較的強い省力樹形の導入を促進し、日本ナシは、耐雪性などを確認するための実証試験を行う。降雪前後の技術的対策をまとめた「技術的対策カタログ」の整理・活用も盛り込んだ。東北地方を中心に2年連続で大雪による果樹の被害が発生する中、産地間の連携も図りながら対策を強化する。
農林水産省などは6月30日、2024年度の食品ロス量(推計値)は前年度比3万トン減の461万トンだったと公表した。内訳は食品製造や小売り、外食産業など事業系が6万トン(2.6%)増の237万トン、家庭系は9万トン(3.9%)減の224万トンとなった。国民1人当たりでは37キロの食品を捨てている計算。経済損失は3.8兆円に上り、1人当たり3万1097円に及ぶ。また、食品ロスによる温室効果ガス排出量は二酸化炭素(CO2)換算で978万トン(1人当たり79キロ)となる。
東・西日本を中心に今夏も猛暑が予想される中、高温障害などによる農作物への影響が心配される。特に水稲は白未熟粒や胴割れ粒の発生も懸念され、今後の天候推移には十分な留意が必要だ。NOSAIでは、品質低下が多数見込まれる場合は注意喚起し、水稲共済加入者には収穫前の被害申告の徹底を呼びかけている。水稲栽培の注意点などを、稲穂ちゃんがNOSAI職員のみのるさんに聞いた。
水田は多様な生物の生息地でもある。生きもの調査をしてみると、米作りを支えてくれている多くの協力者が顔を見せてくれるかも。NPO法人田んぼの舩橋玲二理事長に調査で出合える心強い味方"クモ"について紹介してもらう。

稲作の大規模化や有機農業の拡大を見据え、農研機構農業機械研究部門は新技術の開発・実証を進めている。高水分条件の収穫ロスを低減できる「高湿材適応コンバイン」や、効率的な機械除草が可能で有機農業の拡大に貢献できる「両正条田植機」の2成果を紹介する。

【秋田支局】2020年に設立した秋田市雄和下黒瀬の農事組合法人下黒瀬ファーム(構成員78人、役員5人、従業員2人)。「100年先を見据えた地域農業」を目指し、土作りやスマート農業などに力を注ぐ。収量や品質、省力化をさらに向上させるため奮闘を続けている。
〈写真:ハンマーナイフモアの説明をする社員の佐藤寿規さん〉

【山形支局】高齢化や担い手不足が進む高畠町福沢地区で、農業用小型無人機(ドローン)を活用した防除体制づくりが進んでいる。2024年に設立された「福沢ドローンズ」(代表=戸田雄市さん・59歳)は、地域農業を支え、農地を守ろうと、除草剤や肥料、農薬の散布作業を請け負っている。
〈写真:ドローンを前に左から中川英士さん、戸田さん、我妻匡信さん〉

【山口支局】萩市の「農事組合法人下田万〈しもたま〉(中村文男代表理事=79歳)」は、平均年齢70歳を超える法人の将来を見据え、水稲の乾田直播栽培に挑戦している。同法人の中村博営農部長(75)は「育苗や移植の手間がなくなれば経費削減と大幅な省力化が期待できます。実際にやってみて、作業工程が減り、機械の消耗も少ない点にメリットを感じました」と話す。
〈写真:試験的に使用した振動ローラー〉

【青森支局】「父が大切にしていたトマト作りを守っていきたいと思い、後を継いで就農しました」と話すのは、平川市金屋地区でハウス10棟(23アール)で大玉トマトを栽培する乘田真央さん(29)。以前は東京の歌舞伎町でホストをしていた。祖母と母親に教わりながら栽培に取り組み今年で5年目になる。トマト栽培を一から学び、失敗しながらも日々農業に取り組んでいる。
〈写真:誘引作業に励む乘田さん〉

【岩手支局】奥州市江刺愛宕〈おだき〉にある「岩本りんご園」の岩本俊亮さん(40)は、摘果したリンゴをハードサイダーの原料として出荷している。
〈写真:「木の強さや、時期を見て摘果を2度している」と岩本さん〉
▼台風発生のたびに耳にする「ヘクトパスカル」。大気の圧力の大きさを表す単位で、海面付近の標準気圧は1013ヘクトパスカル。これを下回れば低気圧、上回ると高気圧となる。
▼台風は暖かい海面から供給される水蒸気が上昇気流を発生させ、積乱雲を生み出すことで誕生する。発達期には中心気圧が下がり、特に高低の気圧差が大きくなるほど周囲の空気が勢いよく流れ込み、上昇気流を強めて積乱雲が一層成長する。つまり中心気圧の低い台風ほど"危険"だ。
▼実際、日本の上陸時の中心気圧の最低は1961年の「第二室戸台風」925ヘクトパスカルで、次が1959年の「伊勢湾台風」が929ヘクトパスカル。2019年の「東日本台風」(955ヘクトパスカル)と「房総半島台風」(960ヘクトパスカル)など、いずれも歴史に残る甚大な被害をもたらした。
▼また、高気圧も安心とはいえない。干ばつのリスクが高まる上、今夏、欧州を襲っている熱波は、強い高気圧が停滞し高温の空気が閉じ込める「ヒートドーム」が主要因の一つとされる。今年は台風が多発し、猛暑も予想されている。例年以上に天気図の数字を気をする夏になりそうだ。