今週のヘッドライン: 2026年07月 4週号

神奈川県厚木市の渡辺豊さん(51)が営む観光農園「Blueberry HILLS〈ブルーベリー ヒルズ〉 あつぎ」には今夏も多くの家族連れが訪れている。40アールの園地で栽培する早生から晩生まで約80品種のうち、常時10品種前後を楽しめるのが特徴だ。さらに、よりおいしく、より楽しくを目的に品種ごとの味などを体験者自らが評価する"オリジナルノート"を開発・活用し、ブルーベリーの魅力をより深く知ってもらう取り組みを展開する。完熟果実のおいしさを堪能しながら、会話が弾み、思い出が記録に残る体験を提供している渡辺さん。「ブルーベリー好きをもっと増やしていきたい」と笑顔を見せる。
農林水産省は9日、食料・農業・農村政策審議会果樹・有機部会を開き、有機農業の推進に向けた2030年までの新たな基本方針案を示した。環境負荷の低減などに加え、輸入資材の依存度の低い有機農業は「食料安全保障の観点からも重要」と明記した。供給力強化と需要拡大の好循環の形成を目指し、ネットワーク構築による技術開発・普及、有機JAS制度を利用しやすい環境づくりなどの施策を推進する。有機農業の取り組み面積を6万3千ヘクタール(24年3万9800ヘクタール)、有機農業従事者数を3万6千人(1万2700人)とする30年の目標も示した。基本方針は8月に決定する。
NOSAI協会(全国農業共済協会)はこのほど「令和8年度農業保険の推進に係る優良事例に対する経営局関係業務功績者等表彰」(経営局長表彰)の各部門の受賞者・組織を公表した。取り組み概要を紹介する。
農林水産省は10日、7月5日までの1週間の全国スーパーでの主食用米平均販売価格が精米5キロ当たり3458円となったと発表した。前週から96円(2.7%)安で約1年半ぶりに3500円を下回った。2026年5月末民間在庫が大幅に積み増される中、一部店頭では5キロ2000円台の商品も増えており、26年産収穫を前にさらなる下落も予想される。米の価格や在庫状況などをまとめた。

「サンショウで地域を盛り上げていきたい」と話すのは、埼玉県ときがわ町「ときがわ山椒(さんしょう)栽培協議会」の岩田泰治会長(76)。同会では大粒で爽やかな香りと心地よい辛みが特徴の品種「朝倉山椒」約3000本を栽培する。毎年5月半ばごろに青実を収穫し、農協や近隣の直売所などに出荷。さらにトゲがなく安全に収穫ができる利点を生かし、収穫体験のイベント開催による認知度向上と消費拡大を通じて、サンショウの特産化に取り組んでいる。
果樹の防除機・スピードスプレヤー(SS)の事故が多発しているとして、農林水産省が注意を呼びかけている。同省によると今年5月はSSなど大型農機の転倒・転落事故が25件報告され、うち18人が命を落とした。主な事故原因は転倒・転落や樹体との挟まれなどで、日本農業法人協会がこのほど公表した調査では76%が「ヒヤリ・ハット」(重大事故につながりかねない状況)を経験していた。機体前の作業点検をはじめ、枝下空間の確保など圃場整備や運転時のシートベルトの着用、周囲の確認など安全対策の徹底が求められる。

【石川支局】能登半島の中央に位置する穴水町二子山麓で「能登栗」を栽培する同町前波の橋本農園の橋本玲子さん(74)は、定年退職後に父のクリ園を引き継ぎ、創意工夫を重ねて維持する。現在は規格外のクリなどを活用したビール造りに原料を供給し、地域の復興を後押ししている。
〈写真:能登栗クラフトビールを手に橋本さん(左)と本多隼人代表社員。橋本さんは「昭和43(1968)年に父が始めたクリ園を残していきたい」と話す〉

【三重支局】茶どころで知られる四日市市水沢〈すいざわ〉町では、地域の景観と農業の未来を見据えたワイン造りが進んでいる。「株式会社i―kyo」は2023年に醸造用ブドウの栽培を本格化。耕作放棄地の活用を進めながら、地域に根差したワイン造りに取り組む。
〈写真:「この景色の中で作業するのが最高に幸せ」と話す五十嵐和仁さん〉

【福島支局】須賀川市の藤田勝寿さん(48)は、乗用草刈機でけん引するトレーラーを自作し、収穫した果物の運搬作業を効率化している。
〈写真:「ナシの収穫かごは12個搭載可能」と説明する藤田さん〉

【岡山支局】高梁市宇治町の「一般社団法人宇治雑穀研究会(代表理事・森田仲一さん=77歳)では、管理する農地3ヘクタールのうち2ヘクタールでもち麦「キラリモチ」を栽培。収穫したもち麦は同法人が営む飲食店「カフェ麦」で提供するほか、茶やもち麦粉などを県内のスーパーや直売所に出荷する。
〈写真:「もち麦粉を使った手打ちうどんはもちもちで絶品です」と話す森田さん(後列右)と構成員ら〉

【京都支局】福知山市の芦田泰子さん(45)は、地域で生産が盛んな「万願寺甘とう」の栽培に力を入れている。万願寺甘とうは収穫時期が5月から11月までと長い。水やり、剪定〈せんてい〉、草刈りなど作業が多いが、適期管理を徹底している。
〈写真:「作物を作るときに失敗はつきもの。より良くしていく過程が面白い」と芦田さん〉
▼突然だが、ピーナッツは"ナッツ類"か否か。ナッツは硬い殻や皮に包まれた食用の木の実を指すので、マメ科のピーナッツは当てはまらない。
▼とはいえ、見た目や風味などが似ていることから、英語ではpea(豆)+nuts(ナッツ)と書く。なお、花が落ちた後に土の中で実を付けるため、日本語は落花生だが、殻付きを指すことが多く、一般的な商品はピーナッツの呼び名を使うのが主流
▼実はこのナッツかどうか問題は、知っておいた方が吉。というのも近年、国内で木の実類による食物アレルギーが急増しているからだ。消費者庁による最新の健康被害調査では鶏卵に次いで2番目に多く、牛乳の2倍、小麦の3倍に上る。健康志向の高まりによる食べる機会の増加が要因とされ、特にクルミなどで重い症状が出る例もある。一方、落花生はほぼ横ばいで推移し小麦に次ぐ5位。木の実類と豆類では、アレルギーも当然異なる
▼きょうは「ナ(7)ッ(2)ツ(2)の日」。というわけで、ビール片手にナッツで夏の暑い夜を過ごす際のこぼれ話でした。