今週のヘッドライン: 2026年08月 3週号

岩手県一関市でピーマンを生産する株式会社TKTでは、総務省の「ふるさとワーキングホリデー」制度(以下、ふるさとワーホリ)を活用し、都市部の若者を受け入れている。繁忙期の人手の確保をしつつ、地域の暮らしや農業の面白さ、産地の展望などを伝える小野寺隆好代表(40)。「人手が足りない時期に短期で働いてもらうことで、安定的に収穫・出荷が進められる。さらに、受け入れで職場もにぎやかになる」とメリットを話す。体験をきっかけに再訪や交流が深まるなど関係人口の創出にもつながっている。
Jミルクは7月31日、2026年度の生乳と牛乳乳製品の需給見通しを更新した。全国の生乳生産量は前年度比0.9%減の733万1千トンで3年ぶりに前年を下回る。ただ6月が冷涼な気候となり個体乳量が増えたことから、前回(6月)見通しから2万1千トンの上方修正された。脱脂粉乳の26年度末在庫も積み増される見込みで、酪農・乳業共同での追加の在庫削減対策も予定されている。飲用乳市場に悪影響を与えずに需給ギャップの早期解消が求められる。
農林水産省は7月28日、2026年産の水田での戦略作物の都道府県別作付け意向(6月末時点)を公表した。新規需要米は前年産比2万3千ヘクタール減の8万5千ヘクタールで、特に飼料用米は2万ヘクタール減の2万6千ヘクタールとなった。3年前(23年産=13万4千ヘクタール)から8割減少した。
今年は7月末までの台風発生数が13となり、同時期としては直近10年で最も多くなっている。さらに日本周辺の海水温も高い状況が続いており、秋に向けて強い勢力を保ったまま接近・上陸する台風が発生するリスクがある。園芸施設での事前対策や通過後の対応などについて稲穂ちゃんがみのるさんに聞いた。
連日の暑さで遠方の親戚や親しい友人などに直接会いに行きにくい人も多いのでは。そんな時は手作りの絵はがきに近況などをしたためて残暑見舞いを送ってみるのもおすすめ。大阪市で「アートのわたげ絵画教室」を主宰する画家の原明あさのさんに、オリジナルの野菜スタンプを使った絵はがきの作り方などを紹介してもらった。
高騰・高止まりする化学肥料の代替として、マメ科緑肥作物のヘアリーベッチ(HV)の活用が期待されている。農林水産省の「『みどりの食料システム戦略』技術カタログ」(第6版)から、水稲栽培での肥料低減に資する滋賀県農業技術振興センターと富山県農林水産総合技術センター農業研究所の技術を紹介する。

【福井支局】大野市牛ヶ原の農事組合法人アバンセ乾側は水稲種子の生産を主軸に、県内外の稲作を支えている。同市乾側地区の9集落営農組合が合併して設立した広域の営農組合で、集落の枠を超えた作業体制によって作業の効率化を図る。約200ヘクタールで高品質な水稲種子を10品種栽培する。コンバインや軽トラックのコンテナは、品種が変わるたびに隅々まで清掃するという。事務局長の中村雅俊さんは「品質低下を防ぐため、収穫適期を厳守している」と話す。
〈写真:はな結びの生育状況を見る中村さん〉

【埼玉支局】川越市の森下和一さん(75)は、露地1.2ヘクタールでチンゲンサイとホウレンソウ、サトイモを栽培する。2023年10月、自宅で転倒し骨盤を骨折。長期の入院とリハビリを余儀なくされ、農作業が困難となったが、収入保険が経営継続を支えた。「万が一、働けなくなった場合でも経営を維持できる安心感がある。加入していて良かった」と話す。
〈写真:チンゲンサイの生育を確認する森下さん〉

【北海道支局】浜頓別町茂宇津内地区で酪農業を営む杉山彰さんの妻、愛美さん(35)は、搾乳牛38頭、育成牛18頭を飼養する。その傍ら、役目を終えた搾乳牛に新たな付加価値を見いだそうと、自ら食肉加工・販売に取り組んでいる。
〈写真:「お母ちゃん」として信頼してもらえるよう、子牛の頃から大切に育てている愛美さん〉

【山形支局】「子牛の感染症は、その後の成長に大きく影響する」と話すのは、米沢市広幡町小山田で繁殖和牛の母牛約60頭を飼養する小林康裕さん(48)。NOSAI山形が損害防止事業で無料貸し出しする蓄圧式石灰乳塗布機を活用し、子牛の下痢や肺炎などの予防に取り組んでいる。
〈写真:牛房内に石灰乳を噴霧する小林さん〉
▼農林水産省は、主食用米の2026年6月末民間在庫量が04年以降で最大の243万トンとなったと発表。さらに26年産作付け意向を踏まえると、27年6月末には最大281万トンに膨らむと強調する。
▼最大と聞けば多いのは分かるが、せっかくなので数字を紐解いてみる。まず、米業界で6月末在庫の適正水準が180万~200万トンとされるのはなぜか。
▼同省によると25年7月から1年間の需要実績は683万トン。1カ月分は60万トン弱となる。米は年一作が基本なので、計算上6月末時点で本格的に新米が出回るまでの残り約3カ月分(約180万トン)の在庫があれば、需給はおおむね均衡する。また、余剰分と過剰感、不足分とひっ迫感は比例する。
▼実際に6月末在庫が218万トンだった22年産相対取引価格は60キロ1万3千円台となった。"令和の米騒動"直前の24年6月末在庫は153万トンで、24年産価格は2万5千円台。25年は6月末在庫が155万トンで、10月に3万7千円台を付けた。
▼一方で在庫は1年で88万トン増え、足元の米価は急落している。ちなみに政府は昨年放出した備蓄米の買い戻し判断を先送りしたが、放出分59万トンを除くと、あら不思議、26年6月末在庫は180万トン台に。さて、民間在庫を最大にしたのはどなたか。