今週のヘッドライン: 2026年09月 4週号

長野県富士見町の机地区で都市農村交流などの活動を行う「つくえラボ」では、オーナー制度の田んぼを中心に、地域の未利用資源活用に取り組む。「資源循環は地域活性化の重要な手段。交流を入り口に、消費者にも意義を伝えられる」と運営する馬淵沙織さん(39)。特に下水道由来の肥料は、農家・住民向けの勉強会や視察で成分分析結果や有効性を伝え、高騰する化学肥料の代替に使われている。「じゅんかん育ち」の愛称を農作業体験での説明などで活用し、地域農産物などのブランド化も図る。
第2次高市改造内閣が17日発足し、農相に簗和生衆議院議員が就任した。
高市早苗首相は同日夜に首相官邸で会見し「責任ある積極財政の大方針を掲げ、強い経済の実現に向けた政策を加速させる」と強調。簗新農相については「命の産業である農林水産業への徹底的な支援、農林水産物・食品の輸出拡大、植物工場や陸上養殖などフードテックの社会実装を進めてもらう」と述べた。
農林水産省は15日、全国トレーニングファーム推進協議会の総会を開催した。新規就農者の育成・確保に向け、研修農場(トレーニングファーム)の関係者が参加し、施策紹介や事例発表を行い、交流した。同協議会は、技術と経営を総合的に学べる実践的な研修農場の設置を推進し、全国各地に新規就農希望者のサポート体制を構築しようと5月に設置された。他地域との交流や情報共有など取り組みの横展開を図り、次世代農家の育成・定着を促していく方針だ。
台風や活発な前線の影響で、千葉県や北陸3県をはじめ全国各地で記録的な豪雨に見舞われた。農業関係でも、農地の冠水や損壊、農作物や農業用施設の被害、農機具・建物への浸水などが確認されている。被災地域のNOSAIでは組織を挙げて被害の把握に努め、共済金の早期支払いや収入保険のつなぎ融資の周知などに取り組んでいる。
農林水産省はこのほど、国産主食用米の需要実績に関する分析結果を公表。2025/26年(25年7~26年6月)の需要実績は前年産比28万トン減の683万トンに落ち込んだが、1人当たりの消費量などから「国産米から外国産米への置き換え」が要因とし「米消費全体の減少傾向は見いだし難い」とした。インバウンド(訪日外国人)需要推計を含め、公表資料から米の需要分析結果を整理した。
ブドウ「シャインマスカット」の国内栽培面積が年々増加する中、各地で「未開花症」の発生が問題となっている。農研機構がこのほど公表した対策マニュアルから発生要因と対策ポイントをまとめた。

【大阪支局】「収入保険は、単に損失を補てんするだけでなく、新たな作物への挑戦や経営の安心につながる保険」と話す富田林市の杉本延隆さん(79)。半世紀以上農業に携わり、ナスやキュウリ、エビイモなどを栽培する。
収入保険に加入したのは2021年。同じ地域の加入者に勧められたことに加え、病気による収入減少でも保険金等が支払われた事例を聞き、補償の手厚さを感じた。NOSAI職員の分かりやすい説明も後押しとなり、加入を決めた。
〈写真:「収入保険があることで、安心できる」と杉本さん〉

香美市と南国市で農業を営む「そら農園」の尾﨑潤生〈おざき じゅんせい〉さん(45)は、ハウスニラや露地ニンニクなどの栽培を中心に手がける。
あらゆるリスクを分散するために多品目栽培を行っているため、自身のリスク管理方針と収入保険制度の内容が合致したことから、制度開始初年から収入保険への加入を決めた。
〈写真:多品目栽培に取り組む尾﨑さん一家〉

【福島支局】福島県農業総合センター果樹研究所(畠良七所長)は、ナシ黒星病対策の落葉処理にロボット自走草刈機を活用することで作業の省力化になると公表した。
〈写真:落葉処理作業中のロボット自走草刈機(写真提供=福島県農業総合センター果樹研究所)〉

【兵庫支局】養父市のピーマン農家・木谷理志〈たかし〉さん(47)は、拍動灌水〈かんすい〉装置を効果的に使い、栽培2年目で地域農家の2倍以上の収量を実現。作業時間の短縮、省力化にも奏功している。
〈写真:さらなる収量増を目指す木谷さん。後方が灌水用タンク)

【岩手支局】岩泉町門〈かど〉の佐藤誠志さん(60)は、クマに襲われた経験を基に「熊撃退ポール」を開発・製造した。2025年3月から26年8月までに、1600本以上の注文を受けている。
〈写真:「全国から受注をいただいている」と佐藤さん〉
▼丸くなったり、細くなったり と毎晩少しずつ姿が変わるもの といえば--。そう「月」だ。 約27.3日かけて地球の周りを回る身近な天体は、古くから暮らしと深く結び付いてきた。潮の満ち引きは月の引力が作用し、季節の移ろいや農作業の目安にも使われた旧暦は月の満ち欠けに基づく。
▼夜空で輝いて見えるのは太陽光の反射が理由で、月と太陽が同じ方向に来ると「新月」、地球を挟んで正反対に来ると「満月」になる。満月に向かう「上弦の月」は右半分が、新月に向かう「下弦の月」は左半分が輝く。地球の大気で光が散乱し、オレンジや赤っぽく見えることも人々を引きつける。
▼今年は9月25日が十五夜だ。一般に旧暦8月15日の夜の月を指し、旧暦の秋(7~9月)の真ん中に当たることから「中秋の名月」とも呼ばれる。団子やススキなどを供えるお月見は豊作を祈る伝統行事の一つ。全国的に長雨に見舞われ、局地的な豪雨が相次ぐ中、当夜に美しい姿を見られるかはわからない。ただ、そんな秋だからこそ、自然を思い、感謝と敬意を持って実りを味わいたい。