

▼2025年度農業白書は、トピックスで「昭和100年を振り返って」を取り上げた。昭和元(1926)年から満100年を記念した特別企画。
▼内容は、食料・農業・農村の変遷を(1)昭和初期から戦後復興(2)高度経済成長期から国際化の進展(3)世界の転換期(4)未来に続く――で整理。戦後復興では食料増産など深刻な食糧難への対応を記述し、昭和22年の農業災害補償法(現・農業保険法)の制定なども紹介する。
▼高度経済成長期以降は、輸入急増や食生活の洋風化などによる"逆風"を解説した。技術向上で水稲の単収は2倍になったが、米消費は減退し食料自給率は低下。農政は規模拡大や生産性向上などを推進してきたが、2025年産水稲の作付面積152万㌶に匹敵する農地が失われた。
▼もう一つ。農村の労働力が豊かな日本を作ってきた事実を再認識させられる。農家数はピーク時の3割に減ったが、これは農業を離れた人材が他産業に移り経済成長を支えてきたということでもある。そう思うと、未来に向けて、次は農業・農村が支えられる番ではないのか、と声を挙げたくなる。